人生100年時代、増えていく困難事例「家族力」と「介護力」の低下は比例する

旅・生き方

家族の介護力低下に問う

 少子高齢化、核家族化、独居世帯の増加、大都市への人口集中、人生100年時代、最近話題になっている8050問題などの社会情勢を反映するかのように、在宅での自立支援を業務にしている弊社でもいわゆる「困難事例」が目につくようになってきました。
介護サービスご利用者のお金の管理をはじめ通院や入院、行政手続きは、本人や親族でなければできないのですが、お話をしても「関わりたくない」と言うお子さまたちがいます。ケアマネジャーが一番対応に困るケースです。実の親がまともに生活できなくて困っているというのに、「関わりたくない」とは一体どういうことなのだろうと思います。「手間のかかる親で申し訳ないが、あなたたち介護サービス提供事業者で面倒をみてやってください」というわけです。しかし、私たちは慈善事業をやっているわけではなく、営利事業者がほとんどのため、決められた範囲内でのサービス提供しかできません。ご利用者の生活すべてを「お任せします」と言われても対応できないのです。
もちろん、これは一部の方々のお話ですが、「生きること」や「家族」という概念の共通認識が違ってきたのかとさえ感じてしまいます。お役所でよく耳にする「自助」や「公助」という言葉自体も理解されていない気がします。
2000年の開始前に厚生労働省がさまざまな予測を前提に制度設定した「介護保険制度」ですが、少子高齢化の数値はほぼ予測通りだったものの、ここまで家族の介護力が低下するとは予測できなかったようです。親の年金を頼りに生活する8050問題をはじめ、なかなか表には出てこないこれらの問題は、その芽がまだ小さいうちに何か打つ手はないものかと感じています。

斎藤 豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター

 

関連記事

TOP