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心も体もすこやかに花ひらく!「笑い」がもたらすチカラ

「笑い」がもたらすチカラ

外国のことわざ「Laughter is the best medicine.」は、直訳すると「笑いは最良の薬」という意味。
今月は「笑い」が持つパワーに迫ります。さあ、おもいっきり笑ってみませんか。

2人に1人が笑わない!? 現代人の笑いの平均回数

 感情表現の1つ「笑う」という行為。「笑いは最良の薬」ともいわれますが、多くの人は普段「笑っていない」と感じているようです。20代~50代の男女600人を対象にした調査(※)によると、「最近の生活に笑いが足りないと感じる」と答えた人は54・4%で、半数以上にのぼることがわかりました。また、1日に笑う平均回数を調べたところ、20代が15・0回だったのに対し、50代が7・1回と、年齢を重ねるごとに笑う回数が減っていくこともわかったそうです。
 笑うことは健康に良いとされ、免疫力向上をはじめ認知機能の活性化など、笑いと健康についてはさまざまな研究が進んでいます。
 そこで今月は、今すぐ笑いたくなるような、「笑い」がもたらすさまざまな効果について紹介します。

笑いで認知症を防ぐ!?市×病院×吉本興業がコラボ

大阪府・枚方市の大阪精神医療センターが、吉本興業と連携して「笑い」を取り入れた認知症予防プログラムを昨年スタート。半年間にわたる調査の結果を紹介します。

「笑い」と「運動」の相乗効果

 90年以上にわたり、地域における心の医療に貢献してきた大阪精神医療センター。2015年から枚方市と共に、認知症を防ぐ取り組みとして『こころとからだ生き生き教室』を開催しています。 
 当初は、運動や脳トレを2カ月ほど行うプログラムでしたが、昨年9月から吉本興業を加えた3者共同で、「笑い」「運動」「脳トレ」を組み合わせた画期的な試みを実施。今年3月までの全14回のプログラムで、参加者の認知機能の変化に新たな発見があったようです。今回のプログラムを発案した、大阪精神医療センターの岩田和彦医師に話を伺いました。
「枚方市に住む60代以上の男女30人に協力していただき、前半の3カ月間は認知症に関する知識を深めてもらうための学習、後半の4カ月は笑いを取り入れた運動と脳機能トレーニングに挑戦してもらいました。特徴は、参加者一人ひとりが個別に行うのではなく、皆で交流しながら体験してもらう点です。例えば、吉本興業の芸人さんと一緒に行う笑いとスポーツを掛け合わせた『よしすぽ』では、参加者2人の足首をトイレットペーパーで結んでリレーする『二人そっと三脚』を行いました。足がもつれてもトイレットペーパーがちぎれるので安全ですし、逆に、ちぎれないように参加者同士が息を合わせて競争することで、そこにコミュニケーションと笑いが生まれます。」
 認知症はもちろん、うつ病においても「歩くことは効果的」といわれています。しかし、継続できなければ効果は得られません。単純な運動の場合、どうやって続けるかが問題ですが、その点「笑い」を組み合わせれば楽しく続けられ、その上、高い効果が期待できると岩田先生は考えています。「運動や脳トレは、認知機能の維持や改善に役立つといわれています。さらに2つのことを同時に行えば、より高い予防効果が得られることがこれまでの研究でわかってきました。例えばウオーキングをしながら計算をする、というように運動と脳トレを同時に行うことで、運動と思考にかかわる脳の各領域を同時に活性化しようというものです」

質の高い笑いは会話で一緒に笑い合うこと

 先に紹介した『よしすぽ』と同様、笑いと脳トレを組み合わせたものが『笑って認知症予防 脳に効く吉本新喜劇!』です。おなじみの新喜劇に、間違い探しなどのゲームがふんだんに盛り込まれているプログラムです。
「舞台上で芸人さんの衣裳が途中で変わるなど、記憶力や注意力を試す問題が出演者から投げかけられます。参加者は大いに笑いながら出演者らと交流し、同時に脳を働かせることで認知機能の改善を図ることができるのです」と岩田先生。調査はプログラム「開始前」「途中」「終了時」の3回行い、認知機能の変化をみたところ、認知症に関する学習のみを行った前半に比べ、笑いや運動、脳トレなどを行った後半の方が、認知機能の改善の程度に大きな変化があったそうです。
「参加者のほとんどが全14回のプログラムを継続し、参加者同士の交流も生まれました。家でテレビを観るなどして笑うのも良いことですが、実際に人との会話の中で一緒に笑い合うような能動的かつ双方向の笑いは、脳により良い刺激を与える質の高い笑いだといえます。と言ってもあまり難しく考えず、単に笑うだけでも気持ちが晴れやかになりますし、前向きな気持ちにもなれます。心の医療を行っている者として、笑いは大変貴重で、欠かせない治療法だと考えています」と岩田先生は話します。詳細な調査データは、まだ解析中とのこと。笑いを取り入れた認知症プログラムをさらに発展させ、広めていく方針だそうです。

●お話を伺った方
岩田 和彦(いわたかずひこ)先生
地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪精神医療センター 副院長
精神科医。大阪急性期・総合医療センター、大阪府こころの健康総合センター、自治医科大学附属病院などを経て、2008年より大阪精神医療センターに勤務。精神疾患の認知機能の評価とリハビリテーションを専門とし、現在それを応用した認知症予防の取り組みを進めている。

「笑い」はとっても身近なもの!お笑いの世界に触れてみよう

 笑いの効果はわかっても、急にはなかなか笑えない、という人は多いかもしれません。難しく考えず、まずは笑顔を意識すること。そして、笑いの場へと足を運んでみてはいかがでしょうか。

タック川本さん
国際ビジネス&スポーツアナリスト
2015年4月号「輝く人」インタビュー風景より

誰にでもわかりやすい「吉本新喜劇」&「オモ論議」

芸人パワーで元気に

 吉本興業が東京や大阪の劇場で今年の1月から不定期開催している「オモ論議~笑って学べる言葉のコロシアム~」は、同社所属の芸人と文化人が、話題の時事問題について面白く議論するというものです。5月に「よしもと無限大ホール」(東京・渋谷)で開催された「オモ論議」の舞台には、以前に弊誌の「輝く人」でご登場いただいたタック川本さんも出演。アメリカでビジネスコンサルタントとして活躍し、その手腕を買われてメジャーリーグチーム「ロサンゼルス・エンゼルス」のフロントを務め、ワールドチャンピオンの快挙を成し遂げた実務家です。御年75歳でありながら芸人と積極的に絡み、自ら観客席に向かって笑いを誘導し、出演する舞台を終始楽しんでいるようすでした。
「私自身、今の若い方たちの笑いには疎うといです。しかし大切なのは、自分の中にあるそうした常識や既成概念で線を引かず、いろいろなことに興味を持って、挑戦してみることです。過去と他人は変えられませんが、未来と自分は変えられます。自分がやってこなかったことを思い切ってやってみましょう。面白い人生が一番です」とタックさんは話します。
 劇場ならではの臨場感がある「笑いの世界」。その代表格といえるのが、来年で発足60周年を迎える「吉本新喜劇」です。老若男女が楽しめる「笑い」を提供し続け、出演者と観客との間で掛け合いがあるのも特徴です。
 大阪だけでなく東京でも、吉本新喜劇をはじめ漫才や落語が観られる寄席イベント「東京グランド花月」は定期的に開催されています。芸人さんたちに笑いのパワーをもらいに、ぜひ劇場へと足を運んでみてはいかがでしょうか。

買い物ついでに笑顔に「イオンモールの落語&寄席」

身近にある笑いの場

 人と人が生き生きと触れ合い、新しい体験やコミュニケーションが生まれる場所を目指すイオンモールでは、「ハピネスモール」という取り組みを行っています。
 その1つが「イオンモール落語」です。文化や芸術体験を通して、癒しや感動を提供することを目的に、5年前から無料で開催している芸能イベントです。2017年度は全国のイオンモール31カ所で開催し、今年度は41カ所での開催が決まっています。出演は、上方落語四天王の一人とされる桂か つらふくだんじ福團治とその一門。古典落語をはじめ、聴覚障がい者でも楽しめる手話落語の公演を行っています。イベントには、毎回約100人ほどの人々が集まります。なかでも「イオンモール徳島」では、5月の平日に開催されたイベントに、なんと200人を超える人たちが集まったそうです。その関心の高さが伺えます。
 お客さんの多くがシニア世代で、「気楽に落語が楽しめてうれしい」という声や、「ありがとう」という感謝の言葉を掛けられることも多いそうです。
 また、愛知県内のイオンモールで年間30回ほど開催しているのが「イオンモール寄席」です。「芸どころ名古屋」の中心地にある中京地区において、唯一の寄席小屋である「大須演芸場」の出張イベントです。入場料はお茶・お菓子付きで500円ですが、飲食をしながら落語が楽しめると、幅広い世代に人気となっています。
 いずれのイベントも、「イオンモールに来るときはワクワク、帰りは笑顔に」という考え方のもと開催されています。イベントを統括する担当者は、「お客さまには、自宅近くのイオンモールで落語に触れられることを知っていただき、おおいに笑っていただくことで、気持ちの充足につなげてもらえればうれしいです」と話します。
 先に紹介した大阪精神医療センターの岩本先生によると、「落語や漫才で笑うためには、しっかりと話を聞かなければいけない上、話のオチを理解する力も必要です。つまり落語や漫才で笑っているときは、多くの脳機能を使っていると考えられる」そうです。
 さらに、自発的に「笑い」の場に出掛けようとする気持ちも大切だと岩本先生は話します。
 さあ「笑い」を求めて、さっそく出掛けてみませんか。

 

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