コラム

サクセスフル・エイジングへの道②

サクセスフル・エイジング

❷そのとき慌てないように。目を向ける

変わり映えのしない日々に思えても、目を向けてみれば想像のつかない領域との出合いや発見がある。そのとき慌てないように。自然の変化に目を向けたいものです。

静かな林も生存競争の場

 先日、「里山歩き」というグループに参加して、ウオーキングをしました。
 里山と言っても、日頃歩くことの少なくなっていた身にはアップダウンの多いコースで、なかなかの難行苦行。平坦な道が出てくると、ほっとします。
 雑木林の小道を歩いていると、鳥類観察用の畳1畳くらいの小屋があり、一人の女性が作業をしていました。何をしているのかとお尋ねすると、環境省の依頼を受けた山階(やましな)鳥類研究所が、鳥類を観察し、鳥に標識を付ける作業をしているのだそうです。
 お願いして、少しレクチャーをしていただきました。そのあたりは常緑樹や落葉樹の自然林でしたが、そう遠くない以前は松の林だったそうです。松は赤土など、栄養の少ない土地を好むそうですが、だんだんと腐葉土などが蓄積してきて、松には合わなくなり、枯れて、その女性の言葉を借りれば「私はこんなところには生えていたくないわ、と言って松が消えていき、代わりに現在のような灌木(かんぼく)が茂ってきた」とのことです。
 こういう林を鳥は好むらしく、そのために、渡り鳥がこのあたりを中継したり、越冬、越夏したりするようになり、この林で繁殖する鳥も増えてきたということです。
 観察歴からわかる範囲で、長いものでは5~6年も来林しているそうです。当然のことながら、それぞれの種属や家族、あるいは親子の間にも熾烈(しれつ)なテリトリー争いがあって、この静かな林の中も、実は活発な命の営み、そして生存競争の場なのだそうです。

自然も私たちも変化する

 そこここに台風で倒されたらしい木が横たわっていましたが、大きく広がった根がついたまま転倒しており、自然の力を感じさせます。ここは市街地にほど近く、木々の間からマンションの屋根が見えるという場所に、こんな自然があることにも驚かされました。
 日頃、コンクリートの箱の中に暮らし、テレビで観る人間社会の出来事にのみ一喜一憂している生活ですが、ごく身近な自然にも、いろいろな変化や出来事が起きているのですね。そしてそれはある日、私たちの生活ともクロスすることもあるかと思います。そのとき慌てないように、自然の変化にも、少しは目を向けたいと思いました。

心は羽のように軽やかに

 途中で、150人ほどの小学生に出会いました。3年生ということです。道を譲った私たちに一人ひとりがちゃんと挨拶してくれて、なかなかお行儀のよい子どもたちでした。筆者とは足取りが全く違って軽やか、まるで羽の生えた靴でも履いているかのようでした。
 都会の子どもたちも里山に足を向けて、自然を体験する機会をもっともっと持ってほしいものですね。
 ウオーキングは、慣れてくると脚を鍛えるだけでなく、日頃は想像のつかない領域との出合い、そして発見もあり、気分も若返るのでお勧めです。
 羽の靴はもう履けないけれど、心は羽のように軽やかに。里山ウオーキングにまた参加してみようと思います。

梶川 咸子(かじかわみなこ)
医師、医学博士。
医療法人翠清会介護老人保健施設ひばり施設長。
日本臨床内科学会、日本老年医学会会員。

サクセスフルエイジングへと導く50の答え

 

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