特集

年を重ね経験を積んだ今だからこそできる自分を輝かせる生き方 2

「ありがとう」の言葉が 生きる活力に

一度は目が不自由になりながらも、街の清掃活動をきっかけに奇跡的に視力を取り戻した始澤万来女(しざわまきめ)さん。
現在は走りながら防犯活動を行う「パトラン」に参加し、社会貢献に積極的です。

Chapter 02 「ありがとう」の言葉が生きる活力に

視力を奪われながらも街の美化に尽力

 長年、ご主人が経営する美容院を切り盛りしてきた始澤さんは、60代のときに目の病気を患いました。病状は思わしくなく、視力はどんどん悪化。ついには視界を奪われ、店に立てなくなりました。
「手術をしても回復の見込みは4割程度」と医師に言われたものの、すがる思いで手術を決断。
 しかし、やはり術後の状態はよくなく、目は見えないままでした。気力を失い、家で悶々と過ごしていたところ、信頼を寄せる人から「できるだけ外へ出なさい」とのアドバイスが。自分でもずっとこのままでいるわけにいかないと、外出を決心。せっかくなら少しでも人の役に立とうと、家の周りを掃除することにしました。
 視界ゼロのなか、塀を伝いながら毎日ゴミ拾いを続けていると、驚くことに少しずつ視力が回復。何と再び目が見えるようになったのです。「ゴミ拾いでたくさん汗をかいたのが良かったのかもしれません」と始澤さん。
 生きる活力を取り戻すと、より多くの人の役に立ちたいと、5年ほど前から近所の公園を掃除するようになりました。その公園には12個ほどのゴミ箱がありましたが、常に山盛りの状態で公園中にゴミがあふれかえっていました。そこで「いっそのこと、ゴミ箱を撤去しましょう」と松戸市に直訴。すると、公園の美化に日々努める始澤さんの意見が採用されました。
 ゴミ箱をなくすことで余計に散らかるのでは?と懸念する人もいましたが、始澤さんの狙い通りゴミを捨てる人は減少。再びきれいな公園が戻ったのです。

その活動が注目を浴び「パトラン」に参画

 始澤さんの活動に注目したのが、走りながら防犯活動を行う「パトラン」という団体です。パトランの母体であるNPO法人改革プロジェクトは、2010年に福岡県で旗揚げし、2013年よりパトランをスタート。その後、京都や愛知などにも範囲を広げ、現在では9つのチームがあります。松戸チームは、2016年より活動を開始しました。
 松戸でパトランを結成したメンバーは早速、公園の清掃に勤しむ始澤さんのもとを訪れ、掃除を手伝いながらメンバーに誘いました。
「地域の安全をつくる」という理念に共感した始澤さんはすぐに加入。年齢的に走ることは難しいため、歩きながらゴミを拾う「星屑大作戦」に参加し、月に2回清掃活動を続けています。
 これまでの活動を通して感じるのは「人の役に立てることほど素晴らしいことはない」ということ。見知らぬ人から寄せられる「お疲れさま」「いつもありがとう」といった言葉に元気をもらい、自分の存在意義をひしひしと感じると言います。
 うれしい言葉を掛けられるようになってからは、頑張っている人を見掛けると、率先して声を掛けるようにもなりました。そうして自ら声を掛けることで、気持ちが清々しくなると言います。

シニアにも参加してほしい

 始澤さんは、バブル全盛のころはご主人の経営する美容院も上り調子で、週に3日〜4日はゴルフに興じるなど好きなことをしていたと言います。そこで「十分に楽しませてもらっているから」と、プレー代と同じ額を長年、公益社団法人日本ユニセフ協会に寄付してきました。寄付は毎月それなりの額だったため、ユニセフから感謝状を贈られたこともあるそう。「老後は誰かの役に立ちたい」と考えていた始澤さん。たまたま目の病気がきっかけとなりましたが、「どこにチャンスが転がっているかわからないものですね」と目を細めます。
 現在、松戸のパトランチームには100名ほどが登録していて、毎回約30名が活動に参加。始澤さんは「シニアの方々に、もっともっと参加してもらいたい」と訴えます。誰かの役に立つことは、気持ちが晴れやかになるだけではなく、人とのつながりが増え、日々の暮らしに張りが出ると言います。
 自ら動くことで、充実した毎日がきっと訪れるはずです。

 

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