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成功加齢のためのQ&A⑫サクセスフル・エイジングへの道

サクセスフル・エイジング

高齢医師(84歳)の立場から、シニアが元気で幸せに生きるための心構えをお伝えする最終回老化と仲良く上手に付き合いながら、一緒にサクセスフル・エイジングを実現させましょう。

あるがままを受け入れる

 人は生きている限り、さまざまな問題に遭遇し悩みます。特にシニア世代には悩みが多いものです。
 アンチエイジング(抗加齢)に惹かれる人も多いのですが、老化をアンチと悲観的に捉え、闘う必要はありません。老化と仲良く上手に付き合いながら、自分の持つ能力をフルに発揮すれば、いくつであっても「サクセスフル・エイジング」は可能なのです。
 サクセスフル・エイジングとは、1987年に米国の老年医学者ら(※)が提唱した言葉・考え方で「成功加齢」「幸せな老後」を意味します。これまで老化には遺伝が大きく関係しており、人ごとに起こり方が違うと考えられてきました。しかし近年、老年学の学際的研究が進み、老化の差には遺伝的因子よりも外的因子が大きく影響することがわかっています。外的因子で大切なことは、「適度な運動と食事を中心とする生活習慣」です。
 そしてサクセスフル・エイジングを達成するには、いくつになっても夢を実現させる情熱を失わずに、人生を貫き続ける必要があります。脳には本来、何らかの目標を達成することで大きな喜びを感じるという性質があります。
 人生はまさに波瀾万丈のドラマのようなものです。神の悪い らずら戯としか思えないような出来事に遭遇することもありますが、そのときの対処の仕方が、その人の将来に大きく関わってくるものです。
 避けられないものを避けようとすることは、逆に苦しみを生みます。あるがままの状態を受け入れることが、人生において苦しみを最小限に抑える秘訣、ともいうべき心構えです。
 変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を持ち、変えることのできるものについては、それを変えるだけの勇気を持ちましょう。

(※)老年医学者のJohn W. Rowe, MDと社会心理学者のRobert L. Kahn, PhD

閉じこもりは寝たきりを招く

 高齢者の多くが遭遇する配偶者との別れは、孤立感・孤独感を強めていきます。特に家事などを妻に依存していた男性の場合、その衝撃は大きいといわれています。
 しかし、奥さまを亡くされた悲しみによる意気消沈は、正常な心の反応ともいえます。死別による悲嘆反応を死別反応(Bereavement)といい、親しい他者を喪失した個人の反応と定義づけられています。
 人間は過度のストレスを受けると自律神経の働きが乱れ、体調を崩しやすくなります。体調を崩すと精神的にうつ状態になりやすく、さらに体調が悪くなるという悪循環が起こるのです。
 改善には、今の悩みを解決することが重要です。うつ状態は、心の中で前向きに生きる努力をすることにより、乗り越えられるものです。治療としては、十分な休養を取ることが基本で、時間が最高の薬となります。高齢者の場合、その症状の重さのわりに、早く立ち直れるのが特徴かもしれません。
 寝たきりでもないのに家からほとんど出ずに、外出の頻度が週に1回または全く外出しない状態を「閉じこもり」といいます。
 社会と関わらなくても生活ができたり、社会との関わりが面倒になったりすると、閉じこもりになりがちです。このような状態は、さらなる疾病や寝たきり状態を招く要因となるため、本人が意識的に外出する努力をしたり、周囲の働きかけが必要だったりします。
 閉じこもりは生活不活発病を引き起こし、最終的には寝たきり状態を招きます。閉じこもりの高齢者のうち3割の人が、1年後には寝たきりになるという報告もあります。高齢者の孤独感が、無用感や苦痛と結びつくと自殺誘因にもなりかねないので注意が必要です。
 一人暮らしの場合、配偶者と同居している人と比べて、健康を害しての入院や介護施設に入所のリスクが大きいといえます。
 特に男性は地域との結びつきが薄く、退職すると人間関係を失い、地域で孤立しがちです。退職後は自ら積極的に地域活動や趣味サークルなどへの参加をお勧めします。就業、ボランティア活動、生涯学習、趣味・稽古事などの社会参加は、孤立や閉じこもりを防ぐだけではなく、生きがい感を増し、長生きにもつながります。
 独居で最も深刻なのが、高齢による老化や病弱が進み、自立した生活を営めなくなったときにどうするかという問題です。生活の基本である調理、洗濯、買い物、食事や排泄、入浴といったレベルでの援助が必要となるため、親族や自治体などの周囲の援助が必要になります。自治体の介護予防サービスには「閉じこもり予防・支援」もありますので、早めに地域包括支援センターに相談しましょう。

 

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