インタビュー

ミュージシャン・タレント 高木ブーさん

高木ブーさん

輝く人 インタビュー 6月号 Vol.93

音楽の世界に導いてくれた「ウクレレ」は私の生きがい

85歳になった今も、ザ・ドリフターズの一員としてタレントや音楽活動を精力的に続ける高木ブーさん。娘のかおるさんと一緒に、これまでの軌跡と、親子関係について伺いました。

ザ・ドリフターズ加入は愛娘のミルク代のために

芸名・高木ブーの名付け親がハナ肇さんというのは本当?

 本当です。当時のザ・ドリフターズのメンバー全員を前に、事務所の先輩であるハナ肇さんが一人ずつ名前を付けていったんです。いかりや長介、仲本工事、加藤茶、荒井注と長い時間をかけて名付けた最後に、ハナさんが私の顔を見て「お前はブーでいいや」と(笑)。
 本名は高木友之助といい、6人兄妹の末っ子だったので「ロクさん」という愛称で呼ばれていました。大学卒業後はプロミュージシャンの道に進み、高木智之という芸名で米軍キャンプやジャズ喫茶などでバンド活動を続けていました。そのとき、ザ・ドリフターズの当時のリーダー・桜井輝夫さんと、いかりや長介にスカウトされたんです。私自身、リーダーを務めるバンドをやっていたから移籍する理由はなかったんですけど、娘のかおるが生まれたばかりでミルク代が大変だっていう話を長さんにしたら、長さんにも小さな娘さんがいてね。「だったらミルク代も出しましょう」と言ってもらい、メンバーの一員になったんです。ミルク代の話がなければ、高木ブーという存在はなかったかも
しれませんね。

コメディアンの道に進むことに迷いはなかったのですか?

 全くありませんよ。「ハナ肇とクレイジーキャッツ」に続くコミックバンドの結成を目的に声をかけられたわけですから、自分の役割はわかっていました。当初はコミック要素を取り入れたバンド演奏が主な活動でしたが、長さんと加藤茶はテレビ番組などですでにコントを担当していて、1969年に「8時だヨ!全員集合」が始まったことで、私もコメディアンとしての立ち位置が定まってきたんです。長さんが亡くなる少し前、「なんで自分をスカウトしたのか」と聞いたところ、「デブだったから」と言われたのを思い出しますね(笑)。

ウクレレ奏者の活動とザ・ドリフターズ再結集

「8時だヨ!全員集合」「ドリフ大爆笑」と、当時は休む間もなかったのでは?

「8時だヨ!全員集合」の放送は夜の9時に終わるので10時半には帰宅できましたが、「ドリフ大爆笑」は、出演者にケガがないようにと入念な打ち合わせとリハーサルを繰り返すため収録時間が長くなり家に帰れない日も多くてね。娘の学校行事は高校の卒業式しか出てあげられませんでした。学校には父親が高木ブーだということは伏せてあって、娘も同級生には父親はテレビ局の社員と話していたらしく、卒業式で私が顔を出したら、ちょっとした騒動になっちゃった(笑)。
 競争が激しい今の芸人さんたちは大変だなと思う一方で、BSフジで今放送されている「ドリフ大爆笑」のオリジナル編集版を見ると、体を張ってよくやってきたなという自負もあります。泳げないのに、おでんの具が浮かぶ浴槽のような鍋にダイブしたり、ビールジョッキいっぱいの生卵を一気飲みしたり。わかりやすい笑いだから、広い世代に愛されているんだと感じます。中学生の孫と一緒に見ると、楽しそうに笑ってくれるので嬉しくなります。

今は娘さんのご家族と同居されているそうですね。

 妻を早くに亡くしたので一人娘のかおるには、結婚相手として「同居すること」と「転勤がない職種であること」を条件に出しました(笑)。娘はそれを叶えてくれて、今も一緒に暮らしています。娘は、私が車でちょっと外出すると心配するので、昨年、運転免許証を返
納しました。だから今は、娘の旦那が運転をしてくれます。
 ただ、心配性は私も同じでね。この間、健康診断を受けたらどこにも異常がなくて。それが余計に心配になってCT検査も受けたんですよ。全くの健康体でした(笑)。

今後の目標は?

15歳の誕生日に兄からプレゼントされたウクレレがきっかけで音楽の世界に入り、それ以来、音楽を続けています。昨年末「1933ウクレレオールスターズ」を結成し、念願のハワイコンサートを実現しました。ウクレレは私の生きがいです。
 昨年はテレビ番組の企画で、加藤茶、仲本工事、志村けんと12年ぶりに再会し、4人でコントを披露しました。手応えを感じるとともに、年を重ねた今の状態で昔のコントをやったら違う面白さが生まれるんじゃないかと語り合ったり。かつての情熱がよみがえりましたよ。同世代の方から「高木ブーさんも頑張っているのだから私も」と思ってもらえるように、みんなで励まし合いながらシニアライフを謳歌したいですね。

高木 ブー
1933年3月生まれ。中央大学経済学部卒業後、プロミュージシャンとして活動。1964年にザ・ドリフターズへ加入し、「8時だヨ!全員集合」「ドリフ大爆笑」で人気を博す。1999年に加藤茶や仲本工事らと「こぶ茶バンド」を結成。2017年にはサザンオールスターズの関口和之らと共に「1933ウクレレオールスターズ」を結成し、ウクレレ奏者としても活躍中。
高木 かおる
1963年1月生まれ。1986年女性消費者の視点で設立された広告代理店・電通アイに入社。主にエンタメ系のイベントやPRのプロデュースを担当。2002年に一般男性と結婚。2004年に男児を出産。2016年に30年間の広告代理店生活を卒業。現在はフリーでキャスティング業務の傍ら、高木ブーのイベントやプロモーションなどを担当。ニコニコ動画「高木家を覗いてみよう」では司会進行役を務め、ゲストの意外な一面を独特の視点で引き出すなど、タレントとしても活動中。

 

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