都内の名処

シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処④

コンシェルジュが案内する都内の名処

CHAPTER4 江戸の時代に思いを馳せて 小石川後楽園

東京に観光名所は数あれど、あまり知られていない穴場スポットは数多く存在します。そんな「都内の名処」を、シニアライフ・コンシェルジュ藤野政史がご案内します。今月は、東京ドームの隣に広がる水戸黄門ゆかりの名園「小石川後楽園」に出掛けてみましょう。

大都会の穴場的な文化遺産

 現在東京ドームがある地には、徳川御三家のひとつである水戸徳川家の藩主が暮らす上屋敷がありました。屋敷は水戸徳川家所有から明治政府所有へ変わるときに取り壊されてしまいましたが、名園として名を馳せた小石川後楽園は度重なる災害や戦火も乗り越え、その姿を今に伝えています。今回は、小石川後楽園サービスセンター長の西山さんと共に、国の特別史跡・特別名勝にも指定されている庭園内をご案内しましょう。
「小石川後楽園は、徳川家康の11男で水戸徳川家の藩祖、徳川頼房(よりふさ)によってつくられました。当時は隠退した藩主や跡取りが住む屋敷でしたが、のちに上屋敷となります。庭園は、黄門様のモデルとして知られる徳川光圀(みつくに)公が完成させました。興味深いのは、この庭園が江戸から京都を旅するというコンセプトで作られた点です。現在閉鎖されている東門が当時の正門で、江戸を出て木曽路を通り、琵琶湖を経て京都へ辿り着くというイメージでつくられています」と西山さん。その案内通りに歩いてみると、確かに京へ向かう道中のように思えます。木々がうっそうと茂る細く暗い木曽路を進むと、視界が開けた途端に琵琶湖に見立てた大泉水(池)が広がります。そして京都へ着くと、紅葉の名所として知られる渡月橋や東福寺の通天橋、清水寺が現れるのです。庭園を巡るだけで、まるで京都までの諸国漫遊をしているような感覚に陥り、自然と気持ちが高ぶります。水戸光圀公といえば、黄門様では世直しをしながら日本全国を旅する姿が印象にありますが、実際はほとんど遠くへ行ったことがなかったそう。水戸藩の人間は参勤交代が免除されていた関係で江戸から出られず、琵琶湖や京都といった名所に憧れを抱いていたことを西山さんが教えてくださいました。

あらゆる景観が堪能できる庭

 小石川後楽園のもう1つの魅力は、小石川台地の地形を利用してさまざまな景色を楽しめるところにあります。「園内は、海、川、山、田園、中庭の5つのゾーンに分かれており、池の周りを廻りながら景色の変化を楽しむ回遊式築山泉水庭園としてつくられました。それぞれのゾーンは独立することなく、自然と次の景色に移り変わるようにつくられており、情緒を感じさせてくれます」と西山さん。園内は高低差があるため、さまざまな角度から景観を楽しむことができます。「梅や枝し 垂だれ桜、花菖蒲といった季節の花だけでなく、敷地内に稲田があるというのも小石川後楽園の特徴の1つではないでしょうか。庭園の中に稲田があるのは都立庭園では、ここ小石川後楽園だけです。これはもともと水戸光圀が跡継ぎ・綱条(つなえだ)の公家出身の夫人に農民の苦労を教えるために作った田んぼで、現在は毎年文京区内の小学生が田植えと稲刈りを行っています」とのこと。ほかにも、中国の風物を取り入れた円月橋や西湖堤など、見どころは尽きません。土・日・月と祝日は無料の庭園ガイドも行っているそうなので、興味深いエピソードを聞きながら、江戸の時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

藤野 政史さん藤野政史(ふじのまさふみ)
グローバルライフ株式会社 代表取締役
シニアライフ・コンシェルジュ
シニア世代の皆さまが楽しく、笑顔で、遊び、学ぶ、集う会
「グローバルライフクラブ」を運営。
 

 

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