特集

あなたの老後マネーは大丈夫?年金暮らしの知恵

年金暮らしの知恵

近年、年を重ねてからの貧困が大きな問題になっています。
自分とは無縁、と思っている人ほど危ないかもしれません。
今月は、年金暮らしを見通すことで、より良い過ごし方を探っていきます。

年金暮らし備えあれば憂いなし

 会社勤めをしていれば必ず訪れる定年。近年は、再雇用契約や再就職で定年後も働き続ける人は増えてきましたが、定年後は年金や退職金、預貯金を頼りに暮らす人はまだまだ多いでしょう。
 しかし現役時代に一般的と思われる水準の年収を得ていた人でも、病気や介護などの想定していなかった出来事が重なり、老後破産や老後貧乏に陥る人が増えているようです。
 厚生労働省の発表では、生活保護を受給する世帯は2000年から増え続け、昨年5月の時点で164万世帯が受給。このうち半数以上が高齢者世帯で、その約9割は一人暮らしといいます。
 2016年の年金支給額の月平均は、厚生年金で約14・7万円、国民年金では約5・5万円(※)だったことがわかっています。労働者人口が減少している日本では、今後、支給額が増える見込みはまずないでしょう。
 今月は、老年期の限られた資金で心豊かに暮らすコツと、老後貧乏に陥らないために知っておきたいことを特集します。

※「厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成27年度)」から算出

定年後の限られた資金で心豊かに暮らすコツとは?


老後貧乏に陥らないために気を付けるべきことは?限られた資金で心豊かに暮らすコツとは?
ファイナンシャルプランナーの安田まゆみさんに伺いました。

安田まゆみさんお話を伺った方
安田(やすだ)まゆみさん
1955年生まれ。東京・銀座の「元気が出るお金の相談所」所長。ファイナンシャルプランナー歴22年目。これまでの相談件数は5千件以上、講演回数は1千回を超える。一男一女を育てあげた後、実父と舅を看取り、現在は義母と実母の介護に直面中。お得な情報はより多くの人に知らせてあげたい!というおせっかいな性格。モットーは「最後まで自分らしく生き抜く」。

退職金で住宅ローンの返済をしてはいけない

 厚生労働省が発表した2015年度の国民の月間平均所得は45万4833円でした。
 一方、先にも述べたとおり2016年の年金支給額の月平均は、厚生年金で約14・7万円、国民年金で約5・5万円と、定年後は収入が大幅に減ることがわかります。 
 再雇用の道を選んだとしても、給与は定年前の半分程度になる場合がほとんどのようです。
「定年後は、それまでのようにいかないことを直視してほしい」と訴えるのは、ファイナンシャルプランナーの安田まゆみさんです。
安田さんは「少ない生活資金で暮らすんだ」という「覚悟」を持つことで、幸せな生活は十分におくれると話します。
 定年後の収入に、退職金があります。しかし、これが要注意です。
60歳で退職金を受け取ったとして、年金が支給開始となる65歳までの間に退職金に手を付けてしまうと、老後貧乏に陥りやすくなると言います。特に、月々の生活費のマイナスをボーナスで補填してきた人たちは注意が必要です。ボーナスがあるからと月収以上の支出で生活をしてきた家庭は、退職金に手をつけやすい傾向があるからです。
 また「退職金で住宅ローンの返済をしてはいけない」と安田さんは力説します。退職金で住宅ローンを完済後、病気になり、結局は住宅を手放すことになった人を何人も見てきたと言います。
 退職金は、本当に働けなくなったときに初めて有効に使うべきで、できる限り手を付けないでおくことが大事だそうです。

仕事とコミュニケーションが豊かな老年期のカギ

 現役時代のような収入がなくても、「心まで貧乏にならないでほしい」と安田さんは言います。
 気持ちさえ充実していれば、暮らしは満たされるものです。そのカギとなるのが日々のコミュニケーションです。楽しみを共有できるパートナーや、腹を割って話せる仲間がいることで心は豊かになり、毎日が充足します。したがって収入を得る目的だけではなく、人との関わりを持ち、体を動かすためにも、働けるうちは働きたいものです。
 ある夫妻は定年後、ご主人が月・水・金、奥さんが火・木・金とずらして働きに出て、四六時中顔を合わさないようにしました。奥さんが働きに出ている間は、ご主人が家事を行います。そして土曜日は夫婦揃って博物館や旅行などに出掛けて楽しみ、日曜は夜の食事以外は自由行動としました。ご主人が提案した土曜のお出掛けに当初は難色を示した奥さんですが、日曜が自由ならと承諾。すると2人での外出は意外と楽しく、旅先で出会った人たちとコミュニティを作るなど、満ち足りた日々を過ごしているといいます。
 この夫妻の貯蓄額は500万円以下と少ないものの、働けなくなるまでは働き、得た収入は貯金せずに全部使おうと2人で決めました。いずれは体が衰え、出掛けられなくなることも覚悟しており、その際はアルバムを眺めながら夫婦で思い出話に浸ろうと考えているそうです。

節約の要は固定費の見直し

 働くことで年金以外に収入を得るほかにも、「固定費を見直すことで、ある程度のお金は節約できる」と安田さんは言います。
 例えば、子どもが独立したのであればワゴン車を軽自動車に乗り替える、定期購入していた雑誌やサプリメントを中止するなどです。
 また、子どもしか観ていなかったケーブルテレビや動画配信サービスなど、ほとんど利用していないにもかかわらず、クレジットカードで自動的に引き落とされている費用はないでしょうか。
 子どもの独立や自身の退職などで、生活環境が大きく変化したときは、通帳やクレジットカード明細を見直すことをお勧めします。もし不要であれば、解約しましょう。
 定年後は、バリバリと働いていたときと同じような暮らしにはなりにくいことを自覚し、どういった暮らしであれば自分たちらしく、楽しく過ごせるか。一度立ち止まって、じっくりと考えてみると良いかもしれません。

年金暮らしの家計を助ける保険の見直し


毎月の支出が積み重なると大きな額になる保険。以前に入った保険をそのままにしておくと、必要のない保険料まで支払っている可能性も……。定期的に見直して、年金暮らしの家計を助けましょう!

齊藤まなみさんお話を伺った方
アフラックよくわかる! ほけん案内 池袋店 シニアコミュニケーター
齊藤(さいとう)まなみさん
いざというとき、本当に役立つ保険を目指し、保険の見直しの啓発に力を注いでいる。
【相談予約】
0120-154-498(9:00~19:00)

医療の進歩とともに保険も進化

 多くの人は、何かしらの生命保険に加入していると思います。しかし保険を定期的に見直しているという人は、どれほどいるでしょうか。
 人生のなかで大きな買い物だといわれる生命保険は、日々進化しており、どんどん新しい商品が出ています。例えば「がん保険」です。一昔前までは、がんは治らない病気であり、長い入院生活を経た後にわずかな時間を自宅で過ごすというのが一般的でした。そのため入院費を手厚くし、少しの在宅費を給付、身辺整理のためのお金をいくらか用意する保険が一般的でした。
 ところが、今やがんは治る時代です。通院だけで治せる場合もありますし、抗がん剤にもさまざまな種類が出ています。しかし、そうした最先端の治療に保険が対応していないと、給付を受けられない場合があります。治療の選択肢を増やし、かつがん保険での保障をしっかり得るためにも、保険を見直すことは非常に大切です。
 今回お話を伺った、アフラックよくわかる!ほけん案内 池袋店のシニアコミュニケーターである齊藤まなみさんは、「昔もしものためにと、お守り代わりに入っていたがん保険が、実は保障の対象外となるケースも発生しています」と指摘します。
 教えてもらっていれば保険を見直したのに……と言う加入者の声もあるため、「いざというときに本当にお役に立てるよう、使命感をもって見直しを啓発しています」と話します。

定年を迎える2〜3年前が見直しのタイミング

 保険を見直すタイミングに適した時期はあるのでしょうか。
 齊藤さんによれば、目安は定年を迎えるタイミングと言います。ただし、定年後は生活リズムの大きな変化によって体調を崩しやすいこともあり、保険の見直しまで手が回らなくなることも考えられます。ですから60歳定年であればその2年〜3年前、57歳から58歳あたりで一度見直してみることをお勧めしているそうです。
 また、子どもが独立したときも絶好のタイミングです。子どもにかかる教育資金や生活費の負担が減るため、死亡時の受け取り額を減らすことで保険料を抑えられる可能性が高くなります。
 さらに、毎年の健康診断で徐々に数値が悪化し、まだ治療の必要はないものの病気への不安が高まる場合もあります。このようなときは、実際に病気になる前に保険へ入っておくのが得策です。この場合、月々の出費は逆に増えてしまいますが、病気になったときの治療費や薬剤費を考えれば、やはり安心ですし、健康状態によっては加入できない場合もあるためです。

確かなデータに基づいた自分に合った保険を

 インターネットで検索した情報や、近所の人から聞いた話を鵜呑(うの)みにして保険に加入する人もいますが、「それが本当に自分に合っている保険かどうか見極めてほしい」と齊藤さんは訴えます。
「しっかりとしたデータに基づいた最新の医療事情が反映されている保険か?自分のライフスタイルに合った最適な保障がある保険か?まずはプロに相談することをお勧めします。お店に入ると勧誘されるんじゃないかと心配される方もいますが、お買い物や仕事帰りに気軽にお立ち寄りください」と齊藤さん。相談だけであれば無料で、保険に入るか入らないかは自分で決めることができます。
「お店が目に入ったのでたまたま寄ったが、良い気付きが得られて助かった!」といううれしい声も寄せられるそうです。
 生命保険は、自動車保険のように定期的に更新されるものではありませんし、医療技術は日々進歩しています。5年前に見直しをした人でも、保障内容が自分に合わなくなっていることも。できれば定期的に見直したいものです。
 それまでの保険を生かしつつ、余計な保障を取ったり、足りない保障を補ったりすることもできます。店舗に訪れる際は、現在加入している保険の保障内容がわかるものと、健康診断結果で気になる点があれば、それも持参すると良いそうです。保険加入の可否がその場でわかるケースもあります。
 あなたは余計な保険料を支払ってはいないでしょうか。これを機会に、ぜひご自身の保険を見直してみましょう。毎月の出費を抑えることはもちろん、「もしも」のときの出費を抑えることにつながるかもしれません。

 

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