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50代から気を付けたい口腔がん

50代から気を付けたい 口腔がん

「食べ物や飲み物がしみる」「歯ブラシがあたると痛む」といった不快な口内炎には、誰しも悩まされた経験があると思います。
しかし症状が長引いたり、口内炎を繰り返したりするときは注意が必要です。
そこには別の病気が潜んでいる可能性もあります。先月から引き続き「口腔がん」のお話です。

口腔がんの患者数は40年間で4倍

「口腔がん」とは、文字通りお口の中にできるがんのことです。
 お口の中は、歯以外の部分は表面が粘膜で覆われており、口腔がんの80%は粘膜にできるがんです。そのほか唾液腺(だえきせん)に由来するがん、悪性リンパ腫(しゅ)、悪性黒色腫、転移性のがんがあります。
 日本における口腔がんの患者数は、1975年は2100人、2005年には6900人、2015年には7800人となっており、高齢化の影響もあり40年間で4倍近くに増えています。

口腔がんになりやすい 生活習慣は?

 喫煙は、タバコに含まれる発がん性物質により遺伝子異常が生じると考えられ、ほかのがんと同様に発がんリスクを高めます。
 タバコを吸う人の口腔がんの発生率は、吸わない人と比べて約7割も高くなり、死亡率は4倍高いといわれています。
 飲酒については、アルコールを摂取すると分解の過程でアセトアルデヒドが作り出され、このアセトアルデヒドはDNAに損傷を与えるため、発がん性があるといわれています。そして喫煙と飲酒が合わさると、発がんリスクはさらに高まります。
 ほかにも、合わない入れ歯を長期間使用したり、破折(はせつ)した被(かぶせ)物やむし歯を治療せずに放置したりすると、お口の中の粘膜に対して慢性的な刺激になり、がんの発生原因となります。また、歯みがきが隅々まで行き届かず、細菌がお口の中の粘膜に付着して停滞し続けると、粘膜に炎症を起こし、炎症からがんになることもあります。

早期発見にはセルフチェックと定期検診

 口腔がんの治療法は、ほかのがんと同様に手術療法、放射線療法、化学療法の3つがあります。病気の時期によってこれらの治療法を組み合わせて行います。
 場合によっては、舌やあごなどを切除する大きな手術が必要になることがあり、そうなると体への負担は大きく、顔が変形したり、そのために会話や食事が困難になったりすることもあります。
 がんが小さいときは放射線や抗がん剤を単独、または併用することで治療が可能です。これらは手術療法とは違い、お口の機能を損なうことなく治療ができます。
 一般的に進行したがんに対しては、抗がん剤による化学療法と手術療法、放射線療法が併用して用いられます。
 口腔がんの治療は日常生活に大きな支障をきたすことがありますので、早期発見が重要です。
 いつまでも健康でおいしく食事をいただくためにも、
 ●お口の中になかなか治らない「腫れ」や「しこり」はないか
 ●粘膜が「赤く」なったり「白く」なったりしているところはないか
 ●治りにくい口内炎はないか
 ●入れ歯は合っているか、使っていて違和感はないか
 ●食べ物が飲み込みにくいことはないか
 など日々のセルフチェックを行ったり、歯科医院での定期検診が大事です。

口腔がんにならない生活習慣の心掛け

 口腔がんの予防法として次の5つを心掛けましょう。
 ❶タバコやお酒はひかえる
 ❷栄養バランスの良い食事を取る
 ❸歯みがきやうがいなどで、お口の中を清潔に保つ
 ❹壊れたり、合わなかったりする 入れ歯は使わない
 ❺虫歯や、破折した被せ物はきちんと治療する
 口腔がんの予防に大切なことは、正しい生活習慣と、かかりつけ歯科医を持ち定期的な検診を受けることです。そして虫歯や歯周病の早期治療と入れ歯のメンテナンスは、がんの予防にもつながります。

口腔がんが心配になったら

 お口の中に気になる症状を見つけたり、心配ごとがあったりするときは、できるだけ早く医師の診察を受けてください。
 口腔がんを治療する専門家は、口腔外科(歯科口腔外科)、耳鼻咽喉科、頭頸部(とうけいぶ)外科です。これらの診療科がどこにあるのかわからない方は、まずは歯科医院に相談しましょう。口腔がんを専門とする病院を紹介してくれます。

西部 有里沙さん西部 有里沙(にしべありさ)
医療法人社団高輪会
歯科衛生士
医療法人社団高輪会(いりょうほうじんしゃだんたかなわかい)
故深井眞樹(歯学博士)により昭和54年に日本歯科医療教育発祥の地、東京都港区は高輪に第一号の診療所を開院、昭和62年7月に医療法人社団高輪会設立。平成5年訪問部門を立ち上げ、日本で初めて組織的に歯科訪問診療を開始。訪問歯科診療のパイオニアとして、日々変化し続ける歯科医療現場において、最新の技術・知識を持てるよう教育に力を入れ、北海道から九州まで診療所を展開。理事長 相浦洲吉

 

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