特集

糖尿病1000万人時代 知っておきたい糖尿病の新常識

さまざまな合併症を引き起こす糖尿病。
健康診断で「血糖値に異常がないから大丈夫」と安心していませんか?糖尿病への誤った認識が、病気の進行と予防に大きく影響するかもしれません。

どう向き合う?予備群含めて2000万人

厚生労働省が昨年9月に発表した「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる成人の数は1000万人を超え、糖尿病の可能
性を否定できない糖尿病予備群の数も合わせると2000万人に上ることがわかりました(※)。
糖尿病は、インスリンの分泌不足や働きが悪くなることで血糖値が高くなる「2型糖尿病」と、インスリンを作る膵す い臓ぞうの細胞が壊れ、インスリンが作られないことで発症する「1型糖尿病」に分かれます。
日本の糖尿病患者の約9割が生活習慣と関係する2型糖尿病で、約5人に1人が有病者か、その予備群とされることから、まさに「国民病」ともいえる状況です。その一方で深刻なのは、糖尿病有病者の23・4%が、治療を受けていない現状です(※)。
今月は、今から始めればいざというときに怖くない、糖尿病への正しい取り組み方について紹介します。

※2016年10月~11月に全国から抽出した2万4187世帯を対象に実施した、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」より

食事と運動で防ぐ!糖尿病の「しめじ」と「えのき」とは?!


「糖尿病予備群って自覚症状はあるの?」「糖尿病との違いや判断基準は?」など、知っているようで知らない糖尿病について、東邦大学医療センター大森病院の弘世貴久先生にお話を伺いました。

弘世 貴久先生●お話を伺った方 弘世 貴久(ひろせたかひさ)先生
東邦大学医療センター大森病院
糖尿病・代謝・内分泌センター センター長・教授医学博士。日本糖尿病学会(評議員・専門医・指導医)。糖尿病治療において、特に薬物療法とインスリン療法に精通。早い段階でのインスリン療法の導入を提唱。検診による糖尿病の早期発見と早期治療の重要性を発信し続けている。

自覚症状なくても危ない 糖尿病の「境界型」とは?

 糖尿病で怖いのが合併症です。しかし糖尿病は進行しないと症状が現れないため、定期検診を受けていないと受診が遅れると弘世先生は言います。その症状を引き起こすのが、糖尿病の合併症です。
「糖尿病の合併症である「神経障害(しんけいしょうがい)」「目の網膜症(もうまくしょう)」「腎症(じんしょう)」は、それぞれの頭文字をとって「しめじ」、動脈硬化による「壊疽(えそ)」「脳梗塞(のうこうそく)」「虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)(狭心症や心筋梗塞)」は、「えのき」とよばれ、合併症予防の標語になっています。「しめじ」とよばれる三大合併症は糖尿病特有のものです。一方「えのき」とよばれる動脈硬化症は、糖尿病予備群にあたる自覚症状のない時期からすでに進行しているため、早いうちに予防することが大切です」
そもそも糖尿病予備群とはどういう状況なのか?弘世先生によると、糖尿病の検査で用いられる
①空腹時血糖値
②75g経口ブドウ糖負荷試験
③HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
の3つのうち、①が110~125mg/dl、②が140~199mg/dlの場合を指し、これを「境界型」とよぶそうです。
「空腹時の血糖値は正常でも、食後に高血糖の状態になる人も多く、今は食後の血糖値が重要視されていることからも、自分が境界型かどうかを正確に測るには、②の検査を受けることが望まれます」
つまり、空腹時血糖値110mg/dl未満でも「境界型ではない」とは言い切れないのです。

糖尿病の予防・治療は続けることが大事

糖尿病による医療費負担も大きな問題です。糖尿病患者の平均医療費は、一人当たり年間20万円以上。合併症を併発すると通常の治療費の約5倍、透析治療になると20倍以上にも上るといいます。そのため早い段階から予防に努めることは、患者自身の経済的負担はもちろん、国の医療費負担の観点からも必要不可欠といえます。では、私たちは糖尿病とどのように向き合っていけば良いのでしょうか。
「糖尿病は血糖コントロールに努めることが必須です。良好に保つにはインスリン治療を先延ばしにせず、できるだけ早めに取り入れることが大切です。膵臓(すいぞう)に休息を与えることで、機能が回復しやすく、投薬治療に戻すことも可能です。つまり、インスリン療法は最後の砦(とりで)ではないのです。今は投薬治療と平行して、効果が長く続くインスリンを1日1回だけ注射する、「BOT(BasalSupported Oral Therapy)」とよばれる治療法が主流になっています。入院することなく、安全かつ効果的に始められます」
食事と運動療法を早くから取り入れることも、予防につながると弘世先生は言います。
「無理をせず、食後に近所を散歩するだけでも十分です。足腰が弱い人は、「足上げ腹筋」をしたり、体力に自信がない人は500㎖のペットボトルでダンベルをしたり、自分ができる運動から始めましょう。大切なことは継続すること。糖尿病食を質素な食事と捉えがちですが、実は健康食です。一病息災という言葉のように、糖尿病と向き合い正しい治療を行えば、糖尿病の改善や予防だけでなく、健康寿命の延伸につながることも十分に考えられるのです」

最初は10分の運動からでOK!ライザップ式運動法&食事法


経済評論家の森永卓郎さんが、トレーニングジム「ライザップ」に通ったことで持病の糖尿病が改善したことは有名です。
一体どんなプログラムなのか?その内容について取材、紹介します。

なぜ糖尿病が改善?ライザップのプログラム

 森永卓郎さんがライザップのCMに登場したのは2016年の春。4カ月のプログラムで、体重は89・4㎏から69・5㎏と、約20㎏のダイエットに成功しました。その変貌(へんぼう)に驚いた人も多いでしょう。さらに、重度の糖尿病でインスリンと糖尿病薬療法を続けていたにもかかわらず、プログラム終了時点で糖尿病薬の服用が必要ない状態まで改善したのです。
ライザップで医療ユニット長を務める健康運動指導士の松崎主税(ちから)さんは、同社のプログラムはあくまでもダイエットが主目的だと話します。
「ライザップのプログラムの基本は、理想の体を目指してトレーナーとマンツーマンで行う、個々に合わせたトレーニングと食事指導です。
163施設を超える医療機関と提携し、専任トレーナーを中心に、提携医師やカウンセラー、管理栄養士を含めたチーム体制でトータルにサポートします。無理なく健康的に痩せられることが、結果的に糖尿病の改善につながっていると考えます」
糖尿病がある場合は、かかりつけ医の判断を要するそうで、森永卓郎さんも同様に、CTやMRIの結果をもとに主治医の診断を受けてから、最初は10分程度の軽い運動から始めたそうです。
「ライザップの会員数は現在9万人以上ですが、その中の約1万3000人が50歳以上の方たちです。その多くは、健康維持や健康になって人生を楽しみたいと考えています。以前、プログラムを3カ月間体験した19名の方の健康効果を検証したところ、体重は平均13・47㎏減り、中性脂肪は65・6%ダウンし、空腹時血糖値は13・6%下がりました。今はボディメイクとともに、健康を目的としてライザップを求める声が確実に増えていると実感しています」

姿勢を正すだけでもOK

全国各地の自治体と協力し、健康寿命延伸のための「健康増進プログラム」も実施しているライザップ。松崎さんに、ライザップ式の運動法を教えていただきました。
「その人に合った運動指導が基本なので一概には言えませんが、誰にでもできる運動として「姿勢筋」を鍛えることをお勧めします。姿勢筋とは背筋や腹筋、お尻の殿筋、太ももの大腿四頭筋などの大きな筋肉です。立ち・座り姿勢で、これらの筋肉を意識するだけで筋肉は鍛えられます。歩くときもそうです。大切なのは距離ではなく歩き方です。姿勢を正すだけでも筋肉の使われ方は変わります」

食事の色を想像してみる

 食事については、これまで食べてきたものが生活習慣の表れという考えのもと、食事の見直しから始めるそうです。
「例えば、昨日の朝・昼・晩に何を食べたか考えてみてください。答えられるようにすることで食事への意識が変わります。また、これから食べる食事の色を想像しましょう。基本は白と茶色の2色という人がほとんどかもしれません。そこに黄色や緑色、赤色を入れることが食事改善の第一歩です。いきなり激しい運動や、無理な食事制限は危険であり、続きません。大切なのは続けることです」
ライザップでは3カ月の基本プログラム終了後、健康を維持してもらうための新プログラムを昨年から開始しています。トレーニングマシンの使い放題に加え、トレーナーによる月2回の運動指導と、食事指導付きのコース(税別29800円/月)を準備し、運動の習慣化を促しています。

●お話を伺った方
松崎 主税さん松崎 主税(まつざき ちから)さん
RIZAP株式会社 医療ユニット ユニット長 健康運動指導士
アメリカの大学で筋運動学を学び、都内のスポーツクラブでトレーナーを務めた経験から多くの著名人を指導。広島県の病院でトレーニングを通した疾病・介護予防を地域住民に広げる活動をし、現在はライザップで法人向けと医療の分野で活躍中。
【問】RIZAP株式会社
0120-700-900
(お問い合わせ番号 R823)

 

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