特集

一人暮らしの心強い味方安心の見守りサービス

安心の見守りサービス

単独世帯の増加や、地域コミュニティの希薄化が進む現在、地域や企業による見守りサービスが登場し、注目されています。

急増する一人暮らし65歳以上の6人に1人!

 仕事や家庭の事情から、親や子と離れて暮らす人が増えています。一人暮らしは気楽な反面、高齢になればなるほど離れて暮らす家族の心配はもとより、遠距離介護の負担や、孤独死などの社会問題も浮き彫りになってきます。
内閣府の発表(※)によると、全世帯の約57%が単独世帯もしくは、夫婦のみの世帯となっています。特に65歳以上の単独世帯の増加は著しく、男性の約192万人、女性の約400万人が一人暮らしをしており、これは65歳以上の6人に1人の割合です。
 今後ますます増え続けることが予想されるシニアの一人暮らし。安心・安全に過ごすために、できる対策はあるのでしょうか。
今月は、シニアの一人暮らしで起きやすい家庭内の事故や懸念されること、それを防ぐための見守りサービスについて取り上げます。

(※)平成29年版高齢社会白書

事故は家庭内で起きていた!シニアの一人暮らしに潜む危険

 東京都の「シニア世代における一人及び二人暮らしの身の回りの危険」調査をもとに、家庭内で起きやすい事故と、見守りの工夫について紹介します。

70歳以上の約60%が家庭内での危険を経験

 東京都が昨年実施した、高齢者世帯の家庭内における危険に関する調査。70歳以上の単身および二人暮らし世帯を見守る家族や関係者3000人を対象に行ったものです。それによると、70歳以上の約40%が家庭内でケガややけどなどをした経験があり、約20%が「ヒヤリハット(ヒヤリとしたりハットしたり危険
な目に遭う)」経験があると答えました。最も多いのが「転倒」で、リビングや寝室、階段、浴室など、家庭内のさまざまな場所で3500件にもおよぶ事例があがっています。
 台所では、ガスコンロの「消し忘れ」「着衣着火」などの事故やヒヤリハットが多く、飲食物や調理用具、ポットも含めた「やけど」の事例が総じて多い傾向です。また、暖房器具による熱中症や脱水症状の事例も見受けられます。
 普段から気を付けていることや危険を回避するための工夫については、リビングや居間での「敷物による転倒」が多いことから、多くの人が「段差をなくすためにカーペットを薄くする」「めくれないように設置する」「敷物自体を敷かない」と工夫しているのが伺えます。
 夏場は熱中症を防ぐためにエアコンなどを利用するようにし、冬場の入浴ではヒートショックにならないように、脱衣所や浴室を温める工夫をしているようです。
 製品や食品、サービスに関する事故について、どこに相談して良いかわからないときは、消費生活相談窓口を案内する消費者ホットライン「188」が利用できます。困ったときに相談できる機関を知っておくことも大切です。

大切な人の安全を守る見守りサービス

離れて暮らす家族の状況に応じてさまざまなサポートが受けられる「見守りサービス」。
多様化する見守りサービスを特徴ごとにピックアップして紹介します。

買い物で見守る

JCB見守りメール
クレジットカード会社のJCBが提供する「JCB見守りメール」は、同社のデビットカードで買い物をすると指定のメールアドレスに自動でメールが送られるサービス。利用料は無料で、メール受信者は何人でも登録可能です。現在は福島県の東邦銀行が発行する「東邦Alwaysデビットカード」のみが対象ですが、将来的には広く普及する予定だそうです。また、一部の移動式販売スーパーでも同カードが利用でき、買い物弱者支援にも貢献しています。

訪問で見守る

ヤマト運輸見守り支援
2010年から全国各地の自治体と連携し、「一人暮らし高齢者の見守り」にいち早く取り組んだヤマト運輸。2016年6月現在、125の自治体と協力して地域ごとの見守りを展開しています。
例えば、同サービスの走りである岩手県の7つの市と町では、「孤独死」と「買い物困難」という一人暮らし高齢者にまつわる課題を解決する、宅配による見守りサービスを提供しています。地元のスーパーや社会福祉協議会と連携する見守りシステムを実現。電話で品物を注文するとスーパーが商品を用意し、ヤマト運輸のサービスドライバーが集荷と配達を行います。同時に利用者の健康状態と困りごとを聞き、社協に報告する仕組みです。

家電で見守る

シャープ見守り機能付き電話
「見守りモーニングコール」と「緊急呼び出しボタン」の2つの機能が付いた固定電話。緊急時には緊急呼び出しボタンを押すと、電話機と子機が鳴ることで在宅の家族に知らせ、もし誰も応答しないときは登録してある携帯電話に自動で通知します。また、モーニングコールのように登録した時刻に電話が鳴る機能も備え、誰も応答しなければ家族の携帯電話に自動で連絡が入ります。
さらに、着信相手や頻度に合わせて電話機が「同じ番号からの電話が集中しています。気を付けてくださいね」などの注意喚起を行う「声かけコール」機能もあり、振り込め詐欺対策に役立ちます。

IoTで見守る

東京電力テプコッタ
あらゆるモノをインターネットでつなぐIoT技術を活用した、地域で見守る新しいサービス。ビーコンを搭載したキーホルダー(専用携帯端末)を見守りたい相手に持たせることで、位置情報履歴をスマホアプリやパソコンで把握できるシステムです。公共施設や民間施設、東京電力グループの設備に加え、専用アプリをインストールした地域住民のスマホやタクシーも基地局となり、地域の協力による見守り網が構築されます。現在、渋谷区や府中市で児童を対象とした本格運用が始まっていますが、今後は高齢者に向けてのサービスも予定しているそうです。

ロボットで家族の安心をサポート見守りの新しいカタチ

 今、見守り機能付きの家庭用ロボットが広がりを見せています。
一昨年発売されたコミュニケーションロボット「Tapia(タピア)」の開発元を取材しました。

見守り+会話&生活支援家族を支える多彩な機能

 2016年6月の発売開始以来、一般向けに1000台以上を売り上げる見守りロボット「Tapia」。
「見守り」のイメージと「ロボット」に抱く印象が直結しない人も多いであろう中、広く支持されている理由は何か?開発会社MJIのディレクター・千葉さやかさんは、誰もが馴染みやすい操作性とデザイン性だと話します。
「Tapiaは、シニアの見守りを目的に開発したロボットです。離れた家族とのコミュニケーション手段としてパソコンやスマホなどを利用したくても使い方がわからない、というシニアは多くいます。だったら、インターネットにも簡単に触れられる新しいコミュニケーション手段を作ろうと、2015年にTapiaの開発が始まりました。人型ではない卵型の形状と、豊かでやわらかい表情が特徴です。傍に置いて、必要な時に簡単に利用できる点が喜ばれている理由と考えます」。
 Tapiaは登録した相手の顔や名前を認識し、日常的な会話ができます。接し方によって対応が変化し、家族のような楽しい関係が築けます。
 電話や目覚まし機能、音楽再生、スケジュール管理、天気予報やニュースの音声読み上げ、写真撮影など、生活をサポートする機能付きで操作も簡単です。
 見守り機能では、スマホからTapiaの内蔵カメラを遠隔操作することで安全を確認できます。「今はカメラでの見守りですが、今後は視覚のAI技術を活用し、転倒などの事故を認識して対応する総合的な見守りを実現し、人と人とのつながりを進めたいです」と千葉さんは話します。

 

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