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もう悩まない!原因と対策がわかる腰痛解消法

原因と対策がわかる「腰痛解消法」

日本人のおよそ4人に1人が腰痛に悩んでいるといいます(※1)。
65歳以上では男女共に最も多く悩んでいる症状が腰痛で(※2)、健康寿命にも大きく影響しています。 

※1「厚生労働省研究班(主任研究者=吉村典子・東大病院特任准教授)」調べより ※2厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」より

腰痛の85%が原因不明!?「非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)」とは

 腰痛の約85%は原因のわからない「非特異的腰痛」とされ、多くの人がそれを「謎の腰痛」と認識し、メディアなどを通じて数字だけが一人歩きをしています。しかし本当に原因がわからない腰痛は85%にものぼるのでしょうか。
 腰痛の診断では最初に、がんなどの一刻を争う病気や、骨折などの危険な症状がないかの診断が行われ、その上で神経症状もない場合に「非特異的腰痛」と診断されます。ここから投薬治療などで改善がみられなければ、MRIなどの画像診断を行います。つまり「非特異的腰痛」とは、原因が特定される前の腰痛を指すのです。
 このことは、約25年前に米国の家庭医が発表した論文がもとになっており、「病院に行っても腰痛の原因がわからなかった」という誤解の一因になっています。
 しかし、山口大学が行った調査結果によると、腰痛の約80%は、整形外科医による丁寧な診断で原因を特定できることがわかっています。
 今月は、腰痛の原因を知って痛みを改善する方法を紹介します。腰痛でお悩みの方、必見です。

自宅で今スグにできる簡単チェック法


プロ野球選手や五輪選手など、腰痛に苦しむ5万人以上の人たちを診てきた腰痛治療の名医西良浩一(さいりょうこういち)先生に、腰痛の原因について伺いました。

原因がわかれば完治は可能

 徳島大学・整形外科医の西良先生のもとには、腰痛に悩む人が全国から訪れます。
「原因不明の腰痛を抱える人は、いつ激痛がくるかわからない上に対処することもできず不安だと言います。それが「うつ」などにもつながります。医師は確定診断が出せなければ治療のしようがありません。画像診断の技術は進歩しましたが、限られた時間内で数100枚もの画像から腰痛の原因を見つけるのは大変な作
業です。それは都内で発生した1件のボヤを何の情報もなしに探すようなもの。そこで必要なのが、問診という医師と患者さんとのコミュニケーションで、腰痛の原因を解明するひとつのカギといえます。」
 西良先生はこれまでの治療経験から、慢性腰痛の原因は大きく7つに分類できると話します。
「原因不明と診断されやすい椎間板性腰痛(ついかんばんせいようつう)は、前屈すると腰が痛い、咳やくしゃみで腰が痛む、正座をすると楽になる、といった特徴があります。こういった情報を突き詰めていけば、必ずいずれかの原因に到達します。まずは私が作成した自己診断法で、原因を確かめてみてください。
原因がわかれば完治は可能です。それをもってかかりつけ医に相談するのもひとつの方法です。」

腰痛に負けない体をつくる楽々ストレッチ


腰痛の改善と予防に効果的なストレッチを紹介します。
毎日継続して行い、腰痛に打ち勝つ強い体をつくり、健康寿命をのばしましょう!

腰を動かすのはNG!関節の役割を知ろう

 例えば背骨( 腰椎ようつい)の場合、体を前後に曲げる動き(屈伸)の可動域は広い一方で、ひねる動き(回旋)の可動域は狭いといわれます。ハンマー投げの選手やプロゴルファー、野球選手らが腰を傷めて、西良先生のもとを訪れるのも頷うなずけます。それぞれの関節の役割を知り、普段の生活でも動作に気を付けることが、腰痛改善には重要なのだそうです。
「腰が、動かしてはいけない部位であることは、意外と知られていません。普段からついつい腰を曲げたり動かしたりしてしまいがちですが、腰椎は本来、安定性を保たなければいけない関節です。お辞儀をするときも物を拾うときも、腰椎の上下にある「胸椎(きょうつい)」や「股関節」といった動く役割を持つ関節から動かさなくてはいけません。腰痛改善には、腰に負担をかけない姿勢はもちろんのこと、腰を動かさない動作を意識することも大切です。同様に、腰への負担を軽くするストレッチも有効です。
骨盤につながる太もも裏側の筋肉「ハムストリングス」がかたいと、骨盤の動きを防げて腰椎が動いてしまう原因になります。ハムストリングスのかたさは年齢や運動不足が影響しますが、体質も関係します。私が推奨する3つのストレッチを紹介します。腰痛の完治に向けた第1歩を踏み出してみてください。」

腰痛に負けない体をつくる ストレッチ

負担が少ない内視鏡手術による最新腰痛の外科治療


腰痛の原因で多い椎間板(ついかんばん)ヘルニアや、50代から増える腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)。
いま、患者に負担のかからない最新の外科治療が注目されています。
 
 
 

●お話を伺った方 西良浩一(さいりょうこういち)先生
徳島大学運動機能外科学教授 整形外科医
2000年に腰椎分離症の内視鏡手術を世界に先駆けて成功。脊椎内視鏡PEDによる新しい治療法の確立に努め、患者の負担が少ない手術法の確立に貢献。五輪選手をはじめ、スポーツ選手の診断と治療も行う。「2018年版国民のための名医ランキング/桜の花出版」では整形外科医師の評価No1. 。著書に「腰痛完治の最短プロセス」(角川書店)ほか

入院日数わずか数日!局所麻酔での内視鏡手術

 腰痛の治療では、投薬治療やストレッチなどの運動療法、ブロック注射などの保存療法に加え、外科的手術も用いられます。
「椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどの腰の手術は、全身麻酔による切開手術がまだ一般的ですが、患者さんの体への負担が少ない局所麻酔による内視鏡手術を
行う病院が増えています。それが、「経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(けいひてきないしきょうかようついついかんばんてきしゅつじゅつ)(以下PED)」です。切開するのはわずか8ミリほど。そこに内視鏡で直接観察しながらヘルニアを摘出します。全身麻酔による切開手術では10日間ほど入院する必要があります
が、内視鏡手術であれば1日~数日で退院可能です。持病などで全身麻酔ができないご高齢の方や、長く休みを取れない方にも適している手術といえます」と西良先生は話します。
 現在日本にはPEDの認定医師が29人いるそうです。日本整形外科学会ではPEDを行える医師を「脊椎内視鏡下手術・技術認定医」とし、ホームページ上でも紹介しています。
 加齢などが原因で起こる腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は、背骨の変形、椎間板がふくらむ、靭帯(じんたい)が厚くなることなどで神経が通る管「脊柱管(せきちゅうかん)」が狭くなり、神経が圧迫されて坐骨(ざこつ)神経痛などを引き起こす病気です。
 手術では主に、除圧術という骨を削る方法や、脊柱をチタン製のスクリュー(ボルト)などで固定する方法が行われています。これらの手術の場合、入院期間は数週間にわたり、年齢が上がるほど手術から社会復帰までに時間がかかることは否めません。
「当病院では、腰部脊柱管狭窄症については、局所麻酔による内視鏡を使った骨を削る手術も可能です。このような取り組みが広がれば、人々のQOL向上にも大きく貢献できるはずです。腰痛が完治すれば行動範囲も広がり、精神面にも良い影響を与えます。近年、完治に向けた選択肢は確実に広がっています。」

 

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