健康・お金・生活

見直したいブラッシング回数と歯ブラシの交換時期 全身の健康を守る歯みがき

全身の健康を守る歯磨き

お口のお手入れは歯科医院での検診や治療も大切ですが、毎日の生活で自ら積極的に行うことで、全身の健康まで守ることができます。
今月は、口腔ケアの基本ともいえる「歯みがき」について見直してみましょう。 

予防歯科の意識が低い日本人

 皆さんは、1日におけるブラッシング(歯みがき)の頻度や歯ブラシの交換時期について、考えたことはあるでしょうか?
 お口のケアは歯科医院での検診や治療も大切ですが、毎日の生活で自ら積極的に行うことで、全身の健康まで守ることができます。
 口腔ケアを積極的に行うことが命にもかかわる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を予防し、さらに全身の健康にまで影響を与えることは、近年さまざまな研究により明らかになってきており、私たち歯科医の常識ともなってきています。
 しかしながら世界的にみると、日本人の予防歯科の意識はまだまだ低く、「痛くなってから通院する」という人が多いようです。

在日外国人の72%日本人の口臭にガッカリ

 2015年に歯ぐきの健康を推進する団体「オーラルプロテクトコンソーシアム」が発表したデータによれば、在日外国人100人に「日本人の口臭にガッカリした経験はあるか」を聞いてみたところ、驚くことに72%もの人が「はい」と答えたといいます。
 口臭の原因は加齢によるお口の中の乾燥や、服薬しているお薬の影響などもありますが、その多くは「むし歯」や「歯周病」によるものです。
 東京オリンピックの開催が刻々と近づき、海外からの観光客が増えつつある中、会場やインフラの整備などさまざまな課題に取り組んでいる日本ですが、私たち日本人の口臭問題も改善すべき課題の1つかもしれません。

誤嚥性肺炎の予防にはブラッシングが効果的

 お口の中には300種類以上の細菌が数千億個も存在しているといわれており、むし歯や歯周病のほか、誤嚥性肺炎などの発症にも影響しています。
 誤嚥性肺炎は、口腔ケアをすれば必ず誤嚥(唾液や飲食物が誤って気管へ入ること)がなくなるわけではありませんが、たとえ誤嚥しても、その内容物に含まれている雑菌が少なければ少ないほど炎症が起こりにくく、肺炎を起こす確率も下がります。すなわち、お口の中全体の細菌量を少なくすることが、誤嚥性肺炎の予防につながります。そのためには、頻回のブラッシングが効果的です。

ブラッシング回数を見直してみる

『嚥下障害の臨床 リハビリテーションの考え方と実際 第一版/医師薬出版』では、ブラッシングは1日7回、すなわち「毎食前・後、寝る前に行うのが効果的」と書かれています。
 食前のブラッシングは、口腔内の細菌が飲食物と一緒に誤嚥されることを防ぎ、食後のブラッシングは、食べかすや汚れといった「食渣(しょくさ)」を落とし、歯垢(しこう)内の細菌が食渣を栄養源として増殖することを防ぐといいます。
 口腔ケアの回数は一般的に、1日に1回~3回という方が多く、7回と聞けば「多い」と感じる方がほとんどでしょう。
 口腔ケアの回数については、「回数が多いほど良い」「徹底して行えば1日1回でも良い」などさまざまな研究報告があり、実施頻度と効果との関連性については、一定の見解が得られていないようです。  
 しかし、多忙な毎日をおくる人にとっては、ブラッシングが毎回効果的にできているとは限りません。ブラッシングの頻度を見直してみるのも、お口の健康にとって大切なことではないでしょうか。

かなり少ない日本人の歯ブラシ使用本数

 口腔ケアの回数が増えると、おのずと毎回使用している歯ブラシの交換時期も早まります。
 あるデータによると、日本人が1年間で使用する歯ブラシの本数は欧米諸国に比べてかなり少なく、3・5本でした。世界を見ると、ドイツは20本、スウェーデンは12本、韓国は8本という数字です。 
 1カ月間使用した歯ブラシの先端には、約1億個もの菌が付着しているとのデータもあります。
 1日のブラッシング回数だけではなく、歯ブラシの交換時期についても改めて見直してみると良いでしょう。
 自ら進んで口腔ケアを充実することで、末永くお口と体の健康を保ち、人生をさらに充実したものにしていけると良いですね。

藤本陽子さん藤本 陽子(ふじもとようこ)
医療法人社団高輪会 歯科医師
医療法人社団高輪会(いりょうほうじんしゃだんたかなわかい)
故深井眞樹(歯学博士)により昭和54年に日本歯科医療教育発祥の地、東京都港区は高輪に第一号の診療所を開院、昭和62年7月に医療法人社団高輪会設立。平成5年訪問部門を立ち上げ、日本で初めて組織的に歯科訪問診療を開始。訪問歯科診療のパイオニアとして、日々変化し続ける歯科医療現場において、最新の技術・知識を持てるよう教育に力を入れ、北海道から九州まで診療所を展開。理事長 相浦洲吉

 

関連記事

  1. 介護保険サービス 生活困難でも3割負担が必要
  2. 重度の認知症でも夫婦一緒に暮らしたい 在宅生活を支援するショート…
  3. 介護付有料老人ホームでの 「医療行為」
  4. 成功加齢のためのQ&A⑥サクセスフル・ エイジングへの道
  5. 気を付けたい入院や入所に伴う「副作用」
  6. 日本版CCRC実現へ向けての課題⑤必要なのは24時間体制の見守り…
  7. ココロもカラダも健康に!「いきいきビクス」でヘルシーエイジング!…
  8. 転ばぬ先の杖で介護予防 福祉用具で生活が安全快適に
ゴールデンライフ送付希望の方
読者プレゼント応募方法
脳トレ・脳レク応募申込
脳トレダンス動画
ゴールデンライフ広告掲載

ピックアップ記事

  1. 大人のゆとり旅
  2. 健康レシピ
  3. ゴールデンライフ2018年6月号
  4. 高木ブーさん
PAGE TOP