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成功加齢のためのQ&A⑧サクセスフル・ エイジングへの道「放っておくと認知症を招く難聴」

サクセスフル・エイジング

高齢医師(83歳)の立場から、シニアが元気で幸せに生きていくための心構えを、12回にわたってお伝えしていきます。
老化と仲良く上手に付き合いながら、一緒にサクセスフル・エイジングを実現させましょう。

老化は闘う相手ではない

 日本は超高齢社会となり、高齢の方からは「老後の準備をしてこなかった」「今後どのように過ごせばよいか」などの言葉をよく聞きます。これからのシニアは、いろいろな問題や悩みをかかえて生きていくことになりますが、問題解決のためには、自分自身が何とかして一歩でも前へ踏み出すことが大切です。アンチエイジング(抗加齢)に惹かれる人も多いのですが、老化をアンチと捉えて闘う必要はありません。老化と仲良く上手に付き合いながら、自分の持つ能力をフルに発揮すれば、いくつであっても「サクセスフル・エイジング」は可能なのです。
 サクセスフル・エイジングとは、1987年に米国の老年医学者ら(※)が提唱した言葉・考え方で「成功加齢」「幸せな老後」を意味します。
 これまで老化には遺伝が大きく関係しており、人ごとに起こり方が違うと考えられてきました。しかし近年、老年学の学際的研究が進み、老化の差には遺伝的因子よりも外的因子が大きく影響することがわかっています。
 外的因子で大切なことは、「適度な運動」と「食事を中心とする生活習慣」です。これらが老化と仲良く上手に付き合って行くための要となります。
 ただし視力や聴力、脚力の低下など身体機能の衰えは自然の摂理で、外的因子に注意を払うことで遅らせることはできても、避けられるものではありません。そんなときは、本人はもとより周囲の人が少しばかりの工夫をするだけで、暮らしやすさはずいぶんと違ってきます。

(※)老年医学者のJohn W. Rowe, MDと社会心理学者のRobert L. Kahn, PhD
 

補聴器はためらわず早期に

 加齢とともに聴力が衰えてくることを「老人性難聴」といいます。
 難聴は50代ころから始まり、60代前半ころになると自覚する人が出てきます。これは加齢によって視力が低下する老眼と同じく、加齢現象です。
 老人性難聴の場合、最初は高い音域が聞き取りにくくなり、次第に低い音域に広がります。通常、両側の聴力が同時に低下していきます。早口の人の言葉や、ざわめきの中で相手の話を聞き分けにくくなってきます。音は聞こえても何を言っているかわからなくなってきますので、難聴を放っておくとコミュニケーション障害が起こり、認知症を招く恐れもあります。
 難聴には、①音そのものを聞き取る能力の衰えと、②耳で聞き取った音を脳に伝える機能(器官)の衰えの2種類があります。
 老人性難聴の場合、①に起因するものが多く、これは、【A】聞き取る能力そのものの衰えと、【B】聞き取った音を識別する能力の衰えに分けられます。
 老人性難聴のうち、①【B】に対しては、補聴器の使用をためらわないこと、また周囲も老人性難聴を理解し、聞き取る能力の衰えを遅くするために、できるだけ会話の機会を保つなど聴力の活用促進に協力することが大切です。補聴器で聴力を補い、周囲のざわめきに慣れましょう。ただし、大きな音でテレビや音楽を聴くといったことは避けましょう。
 生活習慣病がある場合は、その治療を行うことも大切です。
 耳には、音声を理解する力があり、聞こえにくさを自覚しながらも補聴器の装用を遅らせていると、この理解力が低下することがあります。会話の理解力自体が低下すると、補聴器を使っても効果は期待できなくなります。
 難聴対策には、家族や周囲の人の協力も必要です。次のようなことに気を付けるだけでも聞き返すことが少なくなり、意思疎通が図りやすくなります。
 

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