コラム

芝田千絵のアートライフ vol.7

雪豹

もうすぐ立春。暦の上では春ですが、まだまだ厳しい寒さが続きます。冷たい朝の空気にきらめく銀色の光や、真っ白な雪の静けさ、空気の澄んだ冬の青空。冬はどんな色を思い浮かべますか?
 日本の季節や文化、植物などさまざまなものから生まれた日本の伝統色には、雪景色や正月飾りを感じる冬の色があります。銀色のような無彩色の明るい灰色で、錫(すず)色ともいわれる「銀鼠(ぎんねずみ)」、やや黄を帯びた赤色で神社の鳥居の「朱色」、火を消した炭の白い灰になる前の黒に近い灰色「消炭色」、稲藁(いねわら)の淡く渋い黄色「藁(わら)色」、常緑樹の松のような濃く暗い緑色「千歳緑(ちとせみどり)」など。これらは、冬に分類される色です。
 誰もが一度は目にしたことがある浮世絵の中にも、日本の美しい冬があります。色鮮やかな藍色の空と雪のコントラストが美しい、葛飾北斎(かつしかほくさい)の「富嶽三十六景(ふがくさんじゅいろっけい) 礫川雪ノ旦(こいしかわゆきのあさ)」や、新雪のやわらかい空気感を鼠色の濃淡で表した歌川広重(うたがわひろしげ)の傑作「東海道五拾三次之内蒲原(とうかいどうごじゅうさんつぎのうちかんばら) 夜之雪(よるのゆき)」。少し意識するだけで日本の冬を、いつもと違った角度から愉しむことができます。
 長く厳しい冬ですが、散歩道や美術館から、「冬の美しさ」を愉しんでみてはいかがでしょうか。

芝田千絵さん 芝田千絵 画家/グラフィックデザイナー
1985年東京生まれ。
2010年東京藝術大学を卒業し、12年同大学大学院修士課程を修了。
直線や曲線、幾何学模様と動物や熱帯魚などの組み合わせから非日常の世界を表現。アクリルガッシュで描き、マットで風合いのある表現が特徴である。
HP: chieshibata.com

 

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