コラム

シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処②

CHAPTER2 巨匠の息遣いを感じる空間 横山大観記念館

大観の全てがここに

記念館の学芸員を務める佐藤志乃さん東京に観光名所は数あれど、あまり知られていない穴場スポットは数多く存在します。そんな「都内の名処」を、シニアライフ・コンシェルジュ藤野政史がご案内します。
今月は、上野池之端・不忍池のほとりにある「横山大観記念館」に出掛けてみましょう。
 近代日本画の巨匠・横山大観は、上野池之端の不忍池のほとりに自宅兼画室を構え、89歳でこの世を去るまでこの地に住みました。巨匠のこだわりが詰まった木造2階建ての数奇屋(すきや)風日本家屋は、現在記念館として公開され、訪れる人の目を楽しませています。今回は、記念館の学芸員を務める佐藤志乃さんと共に、巨匠の息遣いが感じられる建物内をご案内しましょう。
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 大通りに面した重厚な門をくぐると、まるでそこだけ時が止まったかのような静寂な空間が広がります。野趣(やしゅ)あふれる庭園、自然木の風合いを生かした簡素で瀟洒(しょうしゃ)な居室や画室。ここ「横山大観記念館」は、巨匠が愛した日本の伝統美がふんだんに取り入れられた空間なのです。
「明治41年に上野の地に住み始めた大観は、大正8年にこの地に自宅兼画室を建てますが、昭和20年の東京大空襲で焼失してしまいます。けれど自身のデザインによる建物と庭園、そしてこの地に愛着を持っていたことから、昭和29年にほぼ同じ形で再建し、昭和33年に亡くなるまでここを拠点に活動しました。細川護もりたつ立侯爵から贈られた庭石のある庭園の樹木などは、多くの大観作品の画題となっています。中庭にはかりんの木がありますが、大観が生きていた頃は竹林でした。みみずくが竹に止まった様子を描いた『みみずく』という作品をご存じの方も多いのではないでしょうか。当時は実際にみみずくが来ていたそうですよ」と佐藤さんが教えてくれました。『みみずく』は私も大好きな作品です。
大観は、この自宅兼画室で繰り広げられていた日常の風景を、いくつも作品に残したのです。建物内には、他にも当時の様子を垣間見られるものが数多く残っていました。例えば、客間や廊下に使われた大きめの窓ガラス。佐藤さんによると、このようなサイズのガラスは珍しく、大変贅沢なものだったそう。斜めから覗くと歪んで見えて、味わい深いものです。

1階の客間  庭園

日本家屋に飾られた作品たち

2階の画室 見どころは建物だけではありません。「この記念館の特徴は、大観が生きていた頃の様子に想いを馳せながら、日本家屋に飾られた作品を堪能していただけるところです。本物の絵を床の間に飾り、それを見ていただける空間というのは今ではあまりありませんから、ぜひそういった楽しみ方もしていただきたいですね。展示作品は3カ月ごとに入れ替え、四季を感じていただける作品や、画材、書簡、大観が愛した絵画や書などを厳選しています。そもそも日本家屋は絵を並べ立てるものではありませんから、展示作品はあくまでも控えめにしています」と佐藤さん。
その言葉通り、ここは大観が実際に生活をしていた家で、こだわりの庭や建築素材、数多くの名作が生まれた空間に感動しながら、作品を観覧できる貴重な場です。当時の時代背景や武士を意識した生活空間を感じながら、日本画の奥深き世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

藤野 政史さん藤野政史(ふじのまさふみ)
グローバルライフ株式会社 代表取締役
シニアライフ・コンシェルジュ
シニア世代の皆さまが楽しく、笑顔で、遊び、学ぶ、集う会
「グローバルライフクラブ」を運営。
 

 

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