特集

交通事故のない社会が訪れる?進化する運転支援システム

交通事故を未然に防ぎ、クルマの安全運転をサポートする「運転支援システム」。危険に対する警告や自動ブレーキ、車線中央の走行維持など機能はさまざまです。その進化によってもたらされる未来とは……?

交通事故を未然に防ぐ技術

国民の4人に1人が高齢者という日本では、シニアドライバーによる交通事故が問題視され、高齢者の運転を心配する声や、免許返納を求める論調が高まっています。身体機能の低下を自覚し、免許を自主返納するシニアドライバーも増えてきています(※1)。一方、流通機能や交通網が十分ではない地域では、クルマが生活のための移動手段として欠かせない場合もあり、免許返納の時期に苦慮するという声も聞きます。
ところで、警察庁の発表によれば、交通事故の件数が最も多い年齢は「16歳~19歳」で、次いで「20歳~29歳」「80歳以上」と続きます(※2)。
このデータからは、シニアだけが突出して事故を起こしやすいわけではなく、年齢を問わず交通事故を防ぐための対策が必要であることがわかります。そこで今、交通事故を未然に防ぐために自動車メーカー各社が開発に力を注いでいるのが「運転支援システム」です。今月は、その最新技術に迫ります。

※1 警視庁「運転免許統計」平成28年版より  ※2 警察庁「平成27年における交通事故の発生状況」より

運転支援システムの先駆けスバルが目指す交通事故ゼロ社会


運転支援システムの開発にいち早く取り組んだ自動車メーカー・スバル。
「ぶつからないクルマ?」で知られる「アイサイト」の最新機能と、運転支援システムがもたらす未来について取材しました。

事故の発生件数が約60%減運転支援システムの実力

もともとは飛行機メーカーを前身とし、1953年からクルマの製造を開始したスバル。広報の安田美由貴さんは、「飛行機からクルマへと製造するものは変わっても、つねに人を中心としたもの作りの姿勢は変わりません。乗る人全ての安全を何よりも大切にする独自の「総合安全」思想のもと、交通事故ゼロ社会を目指すクルマ作りに取り組んでいます」と話します。
これまでクルマの安全技術は、「アクティブセーフティ」とよばれるABSなどの事故予防システムと、「パッシブセーフティ」とよばれるエアバックなどの衝突安全システムが主流でした。そこで衝突前安全の分野にいち早く着目した同社は、アイサイトなどの衝突前安全システムの「プリクラッシュセーフティ」と、クルマの基本設計で安全性を高める「0次安全」を加えた4つの側面から安全性を追求しています。
2008年に登場した「アイサイト」は、今年の夏に新機能を搭載し、大幅に進化しました。その最新アイサイトを標準装備した車種「レヴォーグ」と「WRX S4」は、7月3日の発表からわずか1カ月で月間販売目標の2・5倍を超える受注があったそうです。
アイサイト搭載の有効性がわかる興味深いデータがあります。スバル車(国内販売車)の事故件数を、アイサイト搭載車と非搭載車で比べたところ、人身事故の発生率は61%減り、クルマ同士の追突事故は84%も減っていることがわかりました。「ぶつからないクルマ?」という
キャッチコピーから、クエスチョンマークが外れる日もそう遠くないかもしれません。

ここまで進化した人の運転に近い安全技術

現在、「運転支援システム」はどこまで進化しているのでしょうか。
スバルが誇る「アイサイト」の新機能を例に見ていきましょう。

2つの目で「見て」「認識」アイサイトの5つの機能



運転支援システム「アイサイト」の主な機能は次の5つです。
❶衝突回避の注意喚起と自動ブレーキ「プリクラッシュブレーキ」
❷前走車を追従する「全車速追従機能付クルーズコントロール」
❸走行レーンをキープする「アクティ ブレーンキープ」
❹ペダルやギアの誤操作による発進事故を防ぐ「AT誤発進抑制制御/AT誤後進抑制制御」
❺車両のふらつきや車線の逸脱を検知する「警報&お知らせ機能」
最近の車種の多くには、同様の運転支援システムが搭載されていますが、メーカーにより性能が異なります。アイサイトの特徴は、人の「目」にあたる2つのカメラ(ステレオカメラ)と、「頭脳」にあたる「3D画像処理エンジン」などを搭載している点です。
多くのメーカーがレーダーとカメラの組み合わせを採用する中、同社が独自に開発したステレオカメラは、クルマはもちろん歩行者や二輪
車、白線、道路形状も正確に認識し、そこから判断・制御できることが強みです。
各社が開発するさまざまな運転支援システム。私たちはどういった点で選べば良いのでしょうか。
広報の安田さんは「運転する方の目的に合わせて選んでいただけると良いと思います。アイサイトの新機能「ツーリングアシスト」は疲れやすい渋滞時の運転もサポートします。速度0㎞~120㎞でアクセル・ブレーキ・ステアリングを自動でアシストし、渋滞していても前走車を追従します。運転時の疲れを軽減させて事故を未然に防ごうとする考えです。また、予防安全評価(※)も選ぶ基準の1つになります。スバル車は価格はもちろん、安全に楽しくという観点で運転を楽しむ方々に選んでいただいており、シニアの方にもぜひ運転を楽しんでいただきたいです」。
社会問題となっている高齢者の交通事故対策や、全国に約700万人いるともいわれる「買い物弱者」を救う一手が、運転支援システムの進化により生まれるかもしれません。
スバルが誇る優れた技術が、その可能性を予感させます。

※国土交通省と独立行政法人「自動車事故対策機構(NASVA)」が、さまざまな試験をもとに自動車の安全性能について評価したもの


愛車にも安全対策後付けできる!運転支援システム4選

交通事故の多くはドライバーの運転操作ミスなど、人的要因が大きいといわれています。
運転時の「認知」「判断」「操作」を先進技術でサポートできれば、事故を未然に防ぎ、運転に不安のあるシニアの移動手段確保にもつながることを国は期待し、新車だけでなく、既存車への対策を進めることも重要、としています。
そこで既存のクルマに後付けできる「運転支援システム」にはどんなものがあるのか紹介します。
運転支援システムを装備して安全運転!

誤操作での急発進を防ぐ
ペダルの見張り番(オートバックスセブン)

停止中や速度10Km未満の低速時誤ってアクセルを強く踏んだ場合に、電気制御で誤発進を防止する機能と、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合にブレーキ動作が優先される2つの機能を搭載。対応車種は国産車100車種以上。販売・取り付けは、オートバックス各店舗にて。

【価格】メーカー標準/39,999円(税別)
(本体・取り付け部品・取り付け工賃込み)
【問い合わせ】オートバックス お客様相談センター
【TEL】0120-454-771
(平日9:00~12:00 13:00~17:30)

ワンペダル(ナルセ機材)


アクセルとブレーキが一本化し、ペダルに足を置いて右に傾けるとアクセル、踏むとブレーキがかかる仕組み。(写真は右足操作用。左足操作用もあり)
アクセルをかけたままペダルを強く踏んでもクラッチが外れてアクセルが効かなくなるので、「踏めば止める」という安心感から心に余裕をもって運転可能。発売から約20年で取り付け実績は全国で600台以上。取り付けは同社(熊本県玉名市)への持ち込みか、クルマ購入店や車検・整備業者でも取り付けは可能です。

【価格】170,000円~(税別・取り付け工事費込み)
【問い合わせ】ワンペダル専用ダイヤル
【TEL】0968-73-1511(平日9:00~18:00)
 

予測と警報で危険回避
ドライブエージェントパーソナル(東京海上日動火災保険/端末提供:パイオニア)


東京海上日動火災保険が提供する「個人向け自動車保険」の特約として利用できるサービス。パイオニア製の通信型ドライブレコーダーを既存のクルマに取り付けることで、「天候」「時間帯」「過去の事故情報」「ドライバーの運転傾向」などのデータをもとに危険を予測し、ドライバーの状況に合わせて画面表示や音声で注意喚起を行います。さらに、事故などで強い衝撃を検知すると、ドライブレコーダーを通して事故対応コールセンターとの通話や映像の送信も可能です。
【価格】特約保険加入で貸与(通信料込みで月額650円〜)
【問い合わせ】東京海上日動火災保険(自動車保険窓口)
【TEL】0120-153-381(9:00~20:00)
 

衝突警報装置「HSK‐CM3」(日立オートパーツ&サービス)

車載カメラが前方を監視し、危険を検知するとモニター表示と音声で警告します。
「前方衝突警告」は、前走車との距離を測定し、ブレーキが遅れて車間距離が詰まると警告します。
「車線逸脱警告」は、ウインカーと連動し、ウインカーを出さずに車線を超えると警告します。「前方車発進検知」は、停止時に前方のクルマが発進したことを知らせます。取り付けと設定は同社の認定店のみ。
【価格】オープン
【問い合わせ】日立オートパーツ&サービス カスタマーサポートセンター
【TEL】03-3527-6323(平日9:00~17:50)

 

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