健康・お金・生活

早期発見、早期対応が明暗を分ける要介護を招く3つの原因

6月に発表された「国民生活基礎調査」では、私たちが要介護になりやすい原因が明らかとなっています。
今月はこの調査結果から、「介護予防のポイント」についてみていきましょう。

 今年の6月、厚生労働省から平成28年度の「国民生活基礎調査」が発表されました。
 この調査は全国の世帯数や世帯人員をはじめ、所得、健康、介護の状況などを数字やグラフで表し、まさに国民生活の実態が読み取れるようにまとめたものです。
 今月は、介護に関連するデータを紹介しながら、そこから見えてくる「介護予防のポイント」についてお話をしたいと思います。

「認知症」が要介護原因の1位

 まずは介護が必要になった原因を見ていきましょう。調査結果によれば、1位 認知症(18%)2位 脳血管疾患(16・6%)3位 高齢による衰弱(13・3%)4位 転倒、骨折(12%)5位 関節疾患(10%)となっております。上位3項目で約半数、5項目を合せると全体の約70%を占める結果になっています。
 ここでは上位3項目について触れたいと思います。
 前回の調査までは「脳血管疾患」が1位でした。しかし、今回初めて「認知症」が要介護原因の1位となりました。
 平均寿命が伸びたことや、「年を取るほど認知症になりやすい」という認識が広まったことから認知症の「認知度」が上がり、その比率が上がったのかもしれません。
 今のところ、「こうすれば認知症にならない」という確実な予防法はありませんが、日々さまざまな研究が進められており、認知症になりにくい生活習慣はわかってきています。最近はテレビや雑誌でも認知症予防として紹介されていますが、バランスの良い食事などを心掛ける「食習慣」、毎日適度に活動する「運動習慣」、人とのコミュニケーションを心掛ける「対人接触」、頭をよく使う「知的行動習慣」、質の良い睡眠を取る「睡眠習慣」は、若い頃から心掛けていた方が良さそうです。

後遺症で介護が必要になる「脳血管疾患」

 2位の「脳血管疾患」とは、脳梗塞(のうこうそく)、脳出血、クモ膜下(まくか)出血などの総称です。前回の調査までは1位でした。
 ご存じの方も多いと思いますが、この病気の主な危険因子としては、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常」「不整脈」などがあげられます。
 もしこれらの持病があるときは、薬をきちんと飲んで治療を続けることが大切です。症状がないからといって放っておくと、ある日突然、脳梗塞を発症ということにもなりかねません。
 脳梗塞などの脳血管疾患は、発症すれば命を落としかねない恐ろしい病気ですが、もし一命をとりとめたとしても、麻痺(まひ)などの後遺症を残すことがよくあります。
 弊社のお客さまにも、60代~70代で発症した脳血管疾患が原因で、要介護状態になっている方が何名かいらっしゃいます。
 お話を伺ってみると、「高血圧」や「糖尿病」などの基礎疾患があることをわかっていながらきちんと治療を続けず、奥さまの忠告も聞かず暴飲暴食をされてきた方が少なくありません。
 こうなってしまいますと、一番大変なのはもちろんご本人ですが、それを支える奥さまやご家族の苦労も並大抵ではありません。

動かない食べられない「高齢による衰弱」

 3位は「高齢による衰弱」です。
「外出しなくなった」、「何をするのも億劫(おっくう)」、「少し動いただけで疲れる」、「つまずくことが増えた」などは、衰弱のシグナルと考えた方がいいようです。
 高齢になってくると食欲や気力、体力などが低下しがちです。何をするのも億劫、動くと疲れるとなれば、ますます動かなくなり食欲もわきません。動かない、食べられない状態は、身体機能を衰えさせていきます。こうして要介護状態を招いてしまうのです。

介護予防を支援する「地域包括支援センター」

 どの原因であっても、早期発見、早期対応が重要なことは言うまでもありません。
 少しでも心配があるようでしたら、お住まいの地域の「地域包括支援センター」や、市町村の窓口へご相談ください。  
 介護予防や自立支援についてのアドバイスやサポートを受けることができます。
 また各窓口には、介護保険制度のもとで実施される「基本チェックリスト」というものがあります。「バスや電車で一人で外出していますか?」「日用品の買い物をしていますか?」などの簡単な25の質問に答えることで、自分の心身の状態を知ることができます。ぜひ活用して、介護予防に役立ててください。

斉藤豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 
福祉住環境コーディネーター

 

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