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税務相談 こちら西新宿税理士よろず相談奮闘記【74】知らないと損をする?!家屋の増改築費用と所有割合

実家などの増改築をお考えの場合、その資金はどなたが出しますか?
家屋のもとの所有者ではない方が資金を出す場合、税法上「あること」を知らないと、損をする可能性があります。

 他人名義の家屋に増改築をした場合、注意が必要です。増改築前の家屋の所有者と、増改築資金を提供した人の家屋に対する価値提供の割合が、その家屋の持ち分(所有割合)と等しく登記されていなければ、もとの家屋の所有者に、贈与税の問題が発生してしまうからです。

贈与税が発生する問題

「伏木さん、こんにちは。今年も所得税がたくさん出そうだねえ。」
 今月ご登場いただくSさんは、所得税申告のお客さま。ご存じのとおり所得税の計算期間は1月から12月の暦年のため、Sさんとは毎年この時期になるとその年の課税所得を予想し、年末に向けて支出する経費の金額をお打ち合せしています。
「そう言えば、これは経費とは関係のない話なんだけど。今、実家を増築しているんだ。去年から始めた同居に親父も喜んでくれているんだけど、少し手狭だったんでね。増築費として1000万円ほど掛かるみたいだけど、これは私が出そうと思うんだ。」「そうでいらっしゃいますか。快適な暮らしで、お父さまもさぞ喜ばれることでしょう。ご実家の持ち分については、ご検討はなさいましたか?」
「え、検討?何も考えてなかったけど……。持ち分なんか何も関係ないでしょ?」
「Sさん、それが大いにあるのです。民法の取り扱いで、増築部分は元の家屋の所有者のもの、とされてしまいます。何も手続きをしないと、お父さまは増築費用に相当する経済的利益を受けたとして贈与税が課税されてしまいます。」「ええ?!それは困りますね。贈与税を回避できますか?」
「はい、大丈夫です。そのためには、家屋の持ち分を移す登記が必要です。」
「伏木さん、今日ちょうど見ていた固定資産税の課税明細書がここにあります。移すべきその持ち分をだいたい計算できますか?」
「(課税明細書を見て、)家屋の時価と、この家屋を建築してから償却費を差し引いた価額はともに3000万円ほどですね。ということは、Sさんがこの家屋の4分の1を所有すれば、お父さまに贈与の問題は発生しないことになります。考え方は次の図のようになります。」

譲渡税が発生する問題

「伏木さん、なるほどねえ。こんな問題が潜んでいたとは。やっぱりちゃんと聞いてみないとだめですね。」
「実はSさん、もう1つ気を配るべき点があるのですよ。お父さまがSさんに持ち分を移す行為(図中のA)は、税法上は譲渡に該当します。ただし今回のSさんの場合は、
①収入金額となる増築前の家屋の時価と、②取得費となる増築前の家屋の償却費を差し引いた価額が同額のため、譲渡税は発生しません。しかし、①よりも②が相当低い場合は、譲渡税の問題が生じます。(※)」「あらら。そんな問題もあったのね(あぜん)。増築のことなんて単なる世間話程度で税金なんて関係ないと思って話したのに、まさかこんなリスクが2つも潜んでいたなんて……。」
「ええ、税法は思わぬところで課税関係が生じてくるものです。毎週月曜に開催している無料法律税務相談所もぜひご活用ください。」
「はい。今日はありがとうございました。」

伏木 栄太郎さん伏木栄太郎(ふせぎえいたろう)新宿総合会計事務所 税理士
「お年寄りの味方」を合言葉にした税務相談は、高齢者にとって、丁寧でわかり易いと好評である。

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