健康・お金・生活

成功加齢のためのQ&A②サクセスフル・エイジングへの道

高齢医師(83歳)の立場から、シニアが元気で幸せに生きていくための心構えを、12回にわたってお伝えしていきます。
老化と仲良く上手に付き合いながら、一緒にサクセスフル・エイジングを実現させましょう。

老化は闘う相手ではない

 最近、高齢の方から「これほど長生きするとは考えてもみなかった」「今後どのように過ごせば良いのか」などの言葉をよく聞きます。
 アンチエイジング(抗加齢)に惹かれる人も多いのですが、老化をアンチと捉えて闘う必要はありません。老化と仲良く上手に付き合いながら、自分の持つ能力をフルに発揮すれば、いくつであっても「サクセスフル・エイジング」は可能なのです。
 サクセスフル・エイジングとは、成功加齢、幸せな老後、健全老化を表した言葉で、1987年に米国の老年医学者ら(※)により提唱されました。彼らが発表した論文は、「高齢者は虚弱で病気がち」「高齢者は今さら何を始めても遅い」「老化は100%遺伝によって左右されている」といったエイジズム(年齢差別)をことごとく覆すものでした。その内容は、高齢者の老化の差は「遺伝的因子」よりも、「外的因子」に影響されるというもので、すなわち外的因子の改善で、サクセスフル・エイジングは達成できるというのです。

(※)老年医学者のJohn W. Roweと社会心理学者のRobert L. Kahn

動かないと動けなくなる

 体を動かすことが億劫になったり、ままならなくなったりすると、つい家の中に閉じこもりがちです。こうした「動かない」状態が続くと、心身の機能が低下して実際に「動けない」状態に陥ります。
これが近年、高齢者の間で問題になっている「生活不活発病」です。
 厚生労働省は生活不活発病を「予防できる病態」として、次のような予防のポイントを紹介しています。ご家族や周囲の方も参考にして、一緒に工夫してみましょう。
●日常生活を活動的にする。
●家庭・地域・社会で役割を持つ。
●歩きにくくなったときはすぐに車いすを使うのではなく、杖や伝い歩きなどの工夫をする。
●「無理は禁物」「安静第一」と思い込まない。
●動きにくくなったら早めの相談を(練習や工夫で上手になる)。

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 老年期に入り、脚力・筋力の弱りや平衡(へいこう)機能の低下のために転倒しやすくなるのは誰でも経験することです。視力障害も転倒の大きな原因となりますが、ここでは脚力・筋力の弱りや、平衡機能の低下をサポートする代表的な歩行補助具、杖とシルバーカーについて紹介しましょう。

杖の効用

「杖を持とう」という気持ちを最も邪魔するのは、「年寄りと思われたくない」という感情です。自分で「年を取った」と認めるのは、なかなか難しいことです。しかし勇気を出して使うメリットのほうが、自分の体にとって大切な選択だといえます。どこでも気軽に使えて便利な杖は、ひざや足腰に不安を抱えている人が最も恐れている「転倒予防」に効果があります。
 私自身も傘寿のお祝いにいただいた杖を時々使用します。杖があると、転倒の心配なく安心して歩けることを実感しています。
 転倒の危険が高まるのは、体を支える支点が片足だけの1点になった時です。しかし杖をついていれば、片足と杖の2点で体を常に支えることができますので、転倒の危険を減らすことができます。
 杖には、「杖を持つと転倒しにくい」という安心感が生まれると同時に、周囲の人に「自分には転倒の危険がある」ことを知らせる意味もあります。また「私は足が弱くなった」という自覚を持ち、能力以上の無理をしなくなるという心理的効果もあります。脚力・筋力の弱りなどを受け入れることも大切です。

シルバーカーの効用

 誰かに支えられると歩きやすくなるように、シルバーカーは体の支えになりますので、使うと歩くのが楽になります。勇気を出して使ってみると活動範囲が広がり、世界も広がります。また、ひざへの負担が軽くなります。
 使い方も簡単で、最近は値段が手頃になった上に性能は良くなり、後期高齢者にも便利に使えるような工夫がされています。歩行器のような役割もしますので、リハビリにもなります。近所のスーパーマーケットに行くときは最適の歩行補助具かもしれません。杖代わりになり、買った物を楽に運べ、疲れた時には椅子代わりにもなる、便利な補助具です。
 杖やシルバーカーは、初めは抵抗があるかもしれませんが、今はおしゃれなデザインの物もあり、選ぶ楽しさもあります。まずは試してみてはいかがでしょうか。

知っておきたい高齢者のフレイル

 

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