特集

筋肉量が健康のカギ!健康寿命を延ばす筋肉トレーニング

 加齢とともに筋力の低下を実感されている方は多いでしょう。要介護や寝たきりの原因のひとつである「フレイル(虚弱)」や「ロコモ(運動器症候群)」は、加齢による身体機能の低下に加え、筋肉量の減少が大きな要因といわれています。
 さらに筋力は、認知症や生活習慣病の発症・進行にも影響するといわれており、筋肉は私たちの健康寿命と深い関係にあります。
 そこで今月は、何歳から始めても老化抑制につながる筋力トレーニングに着目し、健康な体づくりを目指す運動プログラムを紹介します。

あなたは大丈夫?40歳から始まる「筋肉枯れ」に注意!

 健康の土台である筋肉。しかし筋肉量は、何もしなければ加齢とともに減少し続けます。

●お話を伺ったのは 田中喜代次(たなかきよじ)博士田中喜代次博士
株式会社THF 筑波大学研究成果活用企業 代表取締役社長
病院や地域の保健センターなどで中高年者や有疾患者を対象に健康支援と研究を長年にわたり継続。活力年齢や、スマートダイエットを発案・提唱する。2008年に中高年者の運動プログラムを開発し、秩父宮記念スポーツ医学賞を受賞。筑波大学保有の研究データとノウハウを活用し、地域の健康づくりに寄与する研究機関「株式会社THF」を2005年に設立した。

中高年の約74%が「筋肉枯れ」の危機!

81_tokushu-1

今、筋肉が減って弱まる「筋肉枯れ」が問題になっています。
 男女共20歳~30歳をピークに、加齢とともに減り続ける筋肉量。

18歳以上の男女4000人を対象に行った筋肉量に関する調査(グラフ)では、筋肉量は40歳ごろから徐々に減少し始め、60歳を過ぎると急激に低下することがわかっています。
 部位ごとに比較すると、男女共に下半身の筋肉量の減少が最も大きく、50歳で約10%、80歳では約30%も減少するといわれています。
 こうした筋肉量の低下がフレイル(虚弱)やロコモ(運動器症候群)を招き、転倒や骨折リスクを高め、ADL(日常生活動作)の低下に大きく影響するのです。
 中高年者の健康支援と研究を30年近く続けてきた田中喜代次(きよじ)博士は、「中高年者こそ筋肉量を維持するためのトレーニングをすべきだ」と話します。
 筋肉量が低下する原因は加齢のほか、栄養不足や運動不足、病気などが影響することもあります。
しかし自分に合った筋力トレーニングを続けることで筋肉量は維持することができ、老化抑制、そして健康で幸せに年を重ねる「健幸華齢(けんこうかれい)」にもつながると言うのです。
 それでは、具体的にどういったトレーニングを行えば良いのでしょうか。次ページから具体的に紹介していきます。

今から始める筋肉貯金
  自分に合った「筋トレ」で老化にブレーキ!

「筋トレ」といえば「つらい」「きつい」イメージがあり、やるのも続けるのも困難という方が多いのではないでしょうか。
そこで、日常で取り入れやすいトレーニングを専門家に教えていただきました。

医療依存が運動不足を助長する

 運動による中高年者の生活機能向上を長年研究してきた田中博士は、「健康を目的とした筋肉量を維持するためには、自分に合った運動と強度、時間を見つけることが大切」と話します。
 人は年を重ねると、食欲減退や運動量減少などを通して体の機能にさまざまな変化が生じてきます。
さらに血圧や血糖値が上がる、不整脈などが加わることで病院や薬に頼りがちになってしまい、運動に対して守りの姿勢に陥りやすくなると指摘します。つまり、加齢や血圧が高めであることに過敏になり過ぎると、積極的に筋肉に負荷をかけるような運動をしなくなり、体力の衰えにブレーキをかけられないというのです。ただし、無理な運動は逆効果で、まずは自分が好きな運動を続けることが大切と言います。田中博士によると、日常取り入れやすい筋トレとしては、例えば太ももの筋肉を鍛える「スクワット」、膝を床に付けた状態での「腕立て伏せ」、階段の「昇降運動」などでも効果があり、自分の体と対話をしながら強度や運動時間を調整していくことを勧めています。つまり、自分の「体力年齢」に合った運動を続けることが大事というわけです。

5つの運動で自分の体力年齢がわかる

 実年齢と体力年齢は違います。
 田中博士は、その人の運動能力と実年齢とを比較して健康評価の目安が推定できる「体力年齢式」を25年前に開発しました。
 そして、今のシニアのニーズに合わせて田中博士とRIZAP株式会社が共同開発したのが、「RIZAP式体力年齢推定式」です。
これは①敏捷(びんしょう)性 ②筋持久力 ③柔軟性 ④筋パワー ⑤ 平衡(へいこう)性の5つを測定することで、自分の体力年齢が数値として算出できるものです。体力年齢がわかれば、自分に合った最適な運動を知ることができます。「RIZAP式体力年齢推定式」は、静岡県牧之原市などの地方自治体でも導入されており、ライザップの各店舗でも事前に予約すれば無料で推定してもらうことができます。
 体力年齢を推定するための5つの運動は、自宅でも簡単にできるものばかりです(下の表参照)。

81_tokushu-2

例えば「閉眼片足立ち」ですぐに足をついてしまった人は、体幹や下半身の筋肉を鍛える運動を行ったり、「椅子座位体前屈」で体が硬いと自覚した人は、ストレッチを取り入れたりすると良いでしょう。
「自分に合う運動を楽しみながら見つけるのが良い」と田中博士は言います。それを続けることで、体力年齢は確実に若くなります。

81_tokushu-3

今年70歳 総編集長が「体力年齢」を測ってみた!

「体力年齢推定式」とはどんなものか?
気になった編集部では、RIZAP株式会社協力のもと同社が無料提供する「RIZAP式体力年齢推定式」を体験してきました。

81_tokushu-581_tokushu-6

運動の先に元気に歩ける明日がある

今年70歳を迎える総編集長・今井敏義は山登りで鍛えた脚力が自慢ですが、一昨年受けた肺がん手術の後は体力が落ち、ちょっとした段差につまずき転んだことも。一緒に体験した奥さま(65歳)も、膝に痛みを抱えているため特別な運動はしていません。そこで今回、「RIZAP式体力年齢推定式」を体験してみることに。
 まず始めに担当トレーナーの松崎氏が、2人の病歴や当日の体調などをしっかりとカウンセリング。
その後、10ページで紹介した5つの運動を10分ほど行い、それを基に体力年齢を算出しました。
 結果は、総編集長の体力年齢は90歳、奥さまは70歳。特に柔軟性とバランス能力が実年齢より低く、下半身の筋力強化と、柔軟性の改善が必要なことがわかりました。その後、個別に効果的な正しい運動方法を教えてもらいながら、ストレッチを中心に実践。汗と笑顔が絶えないなか約1時間の体験は終了しました。
 体験して「体の硬さを実感した」「普段、いかに運動していないか再認識できた。もうちょっと動きたくなった」という2人。松崎氏は「運動が大事、とわかってはいてもなかなか続かないもの。それは運動自体が目的になっているからです。旅行や趣味など運動の先にある楽しい目標を意識して、いつまでも元気に動ける筋肉量を維持していただきたいですね」と話します。

40歳を過ぎると減少し始める筋肉量。体力年齢を知ることが、健康長寿への第1歩かもしれません。

81_tokushu-10
81_tokushu-11
81_tokushu-12

 

関連記事

  1. シニア世代の強い味方!「配食サービス」
  2. こころも体も豊かに「共食」のすすめ
  3. 今すぐ始めたい!家庭でできる認知症予防
  4. おひとりさま必見!転ばぬ先の生活サポート【保存版】
  5. 少ない負担で大きな運動効果!水中ウォーキング
  6. 目の老化をストップ!今から始める目の加齢対策
  7. 持ち家を活用する資金調達術 どうする?リタイア後の生活資金
  8. 交通事故のない社会が訪れる?進化する運転支援システム
ゴールデンライフ送付希望の方
読者プレゼント応募方法
脳トレ・脳レク応募申込
脳トレダンス動画
ゴールデンライフ広告掲載

ピックアップ記事

  1. 俳優 柄本明さん
  2. 2018年1月号ゴールデンライフ
  3. 若 若 & 噛 む 噛 む
PAGE TOP