インタビュー

俳優・パントマイマー 中村 有志さん

輝く人 インタビュー 4月号 Vol.79

60歳からの新たなスタート 芸人であり俳優である本筋に戻る

昨年、『元祖!大食い選手権』のメインMCを惜しまれつつ勇退した中村有志さん。
役者、芸人、パントマイマー、そしてバラエティとさまざまなジャンルで活躍してきた芸能生活40年超の歴史を振り返るとともに今後の目標について伺いました。

「芸」にこだわったからこそ本物の俳優になれた

子どもの頃から演劇に夢中だったとか。

 きっかけは中学生の時。顧問の先生に誘われて演劇部に入部。北九州でトップクラスの実力校で、熱心に活動していました。そこである時、不思議な体験をしたんですよ。舞台上で、2人の自分が同時に現れたというのかな。1人は必死に演技をしている自分。そしてもう1人は、「こんな仕事ができたら人生楽しいだろうな」と冷静に将来を考える自分。突然、体がパーンと2つに割れたような強烈な感覚。あの瞬間からこの世界へ向かって走り始めたんですね。先生との出会いがなければ、今の私はいなかったかもしれません。

そこからは、目標がぶれることなくまっしぐら?

 はい、高校に入ってからも当然演劇部に入部。そこで活動しながら、社会人が作っている劇団に入って活動したりと、青春時代の全てを演劇に捧げました。主役であれ、脇役であれ、裏方であれ、とにかく演劇に関わっていることが楽しくて仕方がなかった。

パントマイマーになろうと思ったのは?

 高校卒業後上京し、本格的に演劇の勉強を始めた頃、1つの問題にぶち当たりました。「芝居は皆が集まっていろいろなことができるけど、俺一人じゃ何もできないな」と。だから一人でもおもしろいと言われるよう、何か芸を身につけるべきだと思ったんです。そんな時に出会ったのがパントマイム。いわゆる「お笑い」というジャンルに舵を切って、パリに武者修行にも行きました。その結果、芸人としての資質が磨かれ、本当の意味での俳優という仕事へつながっていったのだと思います。

健康オタクに磨きかけ芸人、役者の道を全うしたい

有志さんといえば、大食い選手権のハイテンションなMCと、元祖「あだ名の達人」ですね。

『TVチャンピオン』という番組は、あるテーマに沿ってその道の達人たちが腕を競い合うもの。大食い選手権もその企画の1つでした。このオファーを受け、まず思い知らされたのが、あくまで主役は素人さんだということ。自分は脇に控えていて素人さんの良い面を引き出してあげないといけないんですね。当時の僕は、芸能界である程度独り立ちし、全て自分本位で活動していました。それとは真逆の立場ですから、戸惑いの連続でしたよ。あだ名を付けたのも、とにかく素人さんを前面に出してキャラクターを際立たせたかったから。その人に会った瞬間のひらめきで命名していきました。あだ名を付けることで自分の立ち位置も明確になりましたし、番組の進行もより円滑になりましたね。

22年も続いたその番組の顔を卒業しようと決めた理由は?

 もう、体力の限界ですよ。大食い番組の実況は本当に大変。場を盛り上げるために45分間ずっと大声で叫んでいると、頭の中で何かが「プチプチッ」と切れる音がするんですよ。このまま続けていたら、いつか死んじゃうなって。それは冗談として、59歳で仕事にひと区切りをつけて、60歳から新たなスタートを切りたい、と少し前から考えていました。もともと僕は芸人であり俳優ですから、そろそろ本筋に戻ろうかな、と。

その節目である第一作が映画『グッバイエレジー』ですね。

 この映画は、監督の故郷であり、僕の故郷でもある北九州を舞台に繰り広げられる物語です。監督ご自身の自伝的作品なのですが、僕にとっても、自分の過去と重なり合う部分がたくさんありました。僕の友人にも、まさに吉田栄作さんが演じた役のようなヤツがいたんですよ。葬儀シーンなんかは、完全に感情移入していました。

今後の目標を教えてください。

 とにかく健康第一。芸の世界は体が資本ですから、その仕事を全うするためにも、いつまでも元気でいなくちゃ。「健康オタク」の僕としては、ここをさらに極めていきたいところですね。若い頃から、サプリメントの説明書や健康に関する記事や書籍を読むのが大好きで、興味を持ったものは、片っ端から試してきました。健康法といっても、いろいろな説、いろいろなアプローチがあって、どれが正しいのかよくわからないでしょう。だったら、自分の体で実験してみるしかない。失敗も多々ありましたが、その中で取捨選択し、自分に合うものを続けてきたからこそ、いま健康な自分がいるんだと思います。これからも、このオタクパワーで、元気な中村有志をお見せしたいですね。

中村 有志 (なかむらゆうじ)
1956年福岡県北九州市出身。
1975年、劇団テアトル・エコー俳優養成所入所。その後、パントマイムに目覚めて劇団を退団。お笑いの道へと転身し、1985年にはシティボーイズ、竹中直人、いとうせいこうらと「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」を結成した。1987年、フランス・パリでのパントマイム再修行を経て、ソロ公演活動を開始。以降、映画や舞台、バラエティなど活躍の場を広げていく。2016年、22年間にわたりMCを務めた「元祖!大食い王決定戦」を引退。

グッバイエレジー

 

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