コラム

人情で生かされた私の半生【7】

〝年月は体を老いさせるが前向きに燃えて生きる情熱があれば心は老いない 最後の目を閉じるまで前向きに生きよう〟
古き良き貧しき時代の北国で、感謝の気持ちを胸に懸命に生きた半生を綴ります。
いつの時代も、人は人の温かさのおかげで生きられるのではないでしょうか。

第31章 東京での華やかな会、広がる仕事仲間の輪

フジテレビを会場にして、全国の書店さんを集めての懇親会のために上京していた私は、その前日に突然トーハンの役員に連れられ、名女優やアナウンサーなどが出席する豪華な会場に連れて行かれました。あの森光子さんも会場に現われ、それはびっくりしたものです。
 他の出版社の会とはまた違った雰囲気のこの会に、ウキウキ満足してたくさんの書店さんは帰っていきました。
 江崎社長と私は残って、リビングマガジン社の社長、そしてトーハンの部長達と「まず会を引っ張っていく役員を誰にするか決めなくちゃ」となり、その時代、業界で活躍していた群馬県前橋市の書店社長の名が出て、全員OK。他は地方で活躍している若い社長さんにしましょうよとなり、集められた明るく逞しく若い7名の社長に元気をもらいながらの役員会でした。
 役員会を終えての懇親会は、必ずフジテレビから女優、歌手、アナウンサーを招いての会で、ついつい楽しくて飲み過ぎてしまうにぎやかなものでした。
 日本で最後の幇間(ほうかん)(たいこもち)と言われる悠玄亭玉介(ゆうげんていたますけ)という人が2度も参加して、尺八やら三味線、唄などの芸をしていただき、感動しながら聴いたものです。その悠玄亭玉介さんが会長と私の間に座って楽しく飲みながら話をしていた時、「一緒に写真を写してもらおう」と言われ、のちに額に入れて送ってくださったその写真を、私はいまだに大切に持っています。
 ある時、若い役員が立ち上がり「この役員会には女性がいないので、会が終わったら皆で○○の××へ行って大いに楽しみましょうよ」と言いました。これを聞いた会長も立ち上がると、「オイオイ君、何言ってんだよ。この役員会には、立派な女性が一人いるじゃないか。下斗米さんが君の目の前にいるじゃないか」と叱りました。その青年はびっくりしてあわてて私の席の後ろに飛んでくると、床に座り椅子の足に頭をすり寄せるようにして「すみません、ごめんなさい」と繰り返し言いました。私は「いいよいいよ。この歳じゃ男女関係なし。私も連れて行ってよ」なんて言って、しばらく会場は笑い声が止みませんでした。
※次号に続きます。

下斗米 ミチさん下斗米(しもとまい) ミチ
1923年9月24日 北朝鮮 新義州に生まれる。
1971年4月(株)福村書店 元・代表取締役。
北見市法人会理事、北見市法人会女性部顧問、北海道中小企業家同友会オホーツク支部相談役、北見市社会福祉協議会評議員、オホーツク地域自治研究所副理事長、ふるさと銀河線再生ネットワーク代表、オホーツク ローカル情報誌『HARU』編集長などを歴任した。
著書:北の町に本を届けつづけた女社長のふんばり人生『母さんの風呂敷包み』(扶桑社)

 

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