特集

ゆったりのんびり行きたい シニアの旅

障がいの有無や年齢にかかわらずすべての人が安心して楽しめる旅「ユニバーサルツーリズム」を紹介します。
旅に出たい気持ちはあるけれど、「健康に少し不安がある」「一緒に行く人がいない」といった理由で旅をためらっている人は必見です!

50代から旅行の準備がおっくうに旅行の頻度が減る転機は70歳?

 JTB総合研究所が行った「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査(※)」では、今後、時間やお金を使いたいことに60代・70代の人の多くが「家族との旅行(日帰り・宿泊)」と答えた一方、年齢が上がるにつれて出掛けることへの意欲が減退していることがわかりました。
「レジャーの頻度」を世代別に調査した結果では、60代後半の人は5年前よりレジャーの頻度が「減った」人より「増えた」人の方が多かったのに対し、70代になると「減った」人の方が多くなりました。これを1歳刻みで調べたところ、70歳前後を境にレジャー頻度が減少に転じることがわかりました。なぜ、70歳を境にレジャー頻度が減るのでしょうか。
 理由として多かったのは「金銭的な要因」でしたが、60代・70代では「病気やけが」「足腰が弱ったこと」「準備がおっくう」などが目立ち、なかでも「計画や準備がおっくう」という声は、50代から増える傾向にありました。

ゴールデンライフ読者からも「旅に行きたくても既存のツアーは行程が忙しくてついて行けない」「体が不自由なので周囲に迷惑がかかる」といった声が届いています。そこで今月は、こうした不安を解消し、ゆったりのんびり安心して楽しめるシニアの旅を特集します。

(※)過去1年以内に1回以上の宿泊を伴う旅行をしたことがある20歳~79歳までの男女3610人に聞いた。
2016年3月31日JTB総合研究所発表「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査」より
●ユニバーサルツーリズムとは?
障がいの有無や年齢にかかわらず、全ての人が安心して楽しめる旅行のこと

シニア世代に人気の観光地 ベスト3

国内外を問わず、ゆったりのんびりシニア旅行の選択肢は確実に広がっています。
1991年からバリアフリー旅行の取り組みをはじめて、2013年からユニバーサルツーリズムにいち早く取り組んでいる旅行会社JTBに、シニアが安心して楽しめる観光地を教えていただきました。

シニア世代に人気の観光地 海外編

国際情勢が大きく影響するものの、海外旅行で不動の人気ナンバーワンはハワイです。1990年に制定されたADA(アメリカ障害者法)に基づき旅行環境が整っており、交通や宿泊施設でバリアフリーやユニバーサルデザインを取り入れているところがほとんどです。JTBのユニバーサルツーリズムでは、ホノルル滞在中は乗り放題の低床構造車両「’OLI’OLI(オリオリ)ウォーカー」を運行し、歩くことが困難な人でも安心して旅ができるよう配慮しています。3世代での家族旅行や、海外での結婚式が叶わなかった世代が銀婚式を挙げることを目的に、ハワイを旅行先として選ぶ傾向にあるようです。第2位は韓国、続いて台湾も60代以上の世代に人気の観光地です。日本から2~4時間で行けるアジア地域はどこも人気が高く、車いすなどでも利用できるように設計された海外資本の新しいホテルが増えていることも人気の理由です。シニアに人気の海外旅行は、「安心」「安全」がキーワードといえるようです。

シニア世代に人気の観光地 国内編
国内旅行については、人気ドラマのロケ地や、新たに開通した交通機関などが大きく影響します。今、シニア世代に最も人気の観光地は北海道で、今年3月に開業した北海道新幹線によるものです。また、今年5月に開催された「伊勢志摩サミット」をきっかけに三重県への旅行も人気を集めています。さらに、NHKの大河ドラマ「真田丸」の影響で信州上田(長野県)も大人気です。国内の観光地でもユニバーサルツーリズムは浸透してきています。
 バリアフリー旅行といえば、かつては特別なサービスとして扱う旅行会社がほとんどでしたが、今は一般の商品でユニバーサルツーリズムの取り組みを推進するところが増えています。まずは各旅行会社が提供するユニバーサルツーリズム関連商品をチェックしてみてはいかがでしょうか。

60代からの安心旅行を叶える旅プラン
60代・70代が安心して楽しめる旅行プランには、実際にどのようなものがあるのでしょうか?
JTBのユニバーサルツーリズムを例に調べてみました。

気兼ねなくのんびりできる旅

「通常のツアーでは一緒にまわれる自信がない」「旅先ではトイレが不安」といったシニア世代の声をもとに、同社が企画したのが「ゆとり紀行」という70代にお勧めのユニバーサルツーリズム商品です。例えば、立山黒部アルペンルートを登る3日間のツアーでは、通常は高原バスやケーブルカーを乗り継いで1日でめぐるハードな道のりを、途中の宿泊施設で宿泊したり、貸し切りバスを利用したりすることで、ゆっくり無理なく登ることができるように設定してあるそうです。旅をあきらめていた世代からも「また旅行に行ける」と喜ばれ、リピーターが増えているそうです。
「足腰が弱ってきた」という人も、旅に出ることをためらいがちかもしれません。同社では、自宅から宿泊施設(関東近辺)までを送迎する「福祉タクシー」を用意することもできます。ドライバーはヘルパーの資格を持っているので、車いすを使っている人でも送迎可能で、途中の観光地では車いす補助を、休憩時にはトイレ介助なども手伝ってもらえるそうです。さらに介護旅行サービスを行う企業と業務提携し、介護技術と旅行業務の知識を持った「トラベルヘルパー」とよばれる外出支援専門員を紹介し、必要であれば旅行中の介助にも対応してくれます。

気兼ねなくのんびりできる旅

健康面の不安を解消する旅

例えば、人工透析治療を受けながら海外旅行を楽しめる「海外透析ツアー」があります。これは人工透析治療を受けている人と、その同伴者のみが参加できるJTBのオリジナル企画ツアーで、1989年から提供し人気を集めています。また、ヨーロッパやアジアの主要都市をはじめ、ハワイやグアムなど人気観光地の病院で透析治療を受けられる海外透析予約サービスもあります。透析患者さんにとって旅行は心理的負担が大きい中で、この「海外透析ツアー」や「海外透析予約サービス」を経験することで自信になり、次はもっと遠い旅行先をというステップアップにもつながるのだとか。
エースJTB「身からだ体にやさしい宿」と銘打った、同社が厳選したユニバーサルデザインの宿に泊まる旅行プランも人気です。段差が少ない部屋や、車いすでも利用できる浴室、減塩対応や量を調節できる食事などを重視して考えられた宿泊施設が揃っています。事前に予約をすれば、入浴介助の利用が可能な宿泊施設もあります。

健康面の不安を解消する旅

一人でも気軽に参加できる旅

一人でも気軽に参加できる旅
さまざまな理由から「旅行に行きたいけど一緒に行く人がいない」「一人だと参加しづらい」という人は多いといいます。そのニーズに応えるのが、JTBの「すみれ紀行」という、おひとりさま限定の国内ツアーです。参加者全員が一人参加なので気兼ねすることもなく、旅を通じて交流が生まれることもあり、仲間づくりを目的に参加する人も多いそうです。また、主に50代以上を対象にした添乗員同行の海外ツアー「旅彩彩」は、全コースに添乗員が同行する一方で自由時間を組み合わせているので、自分のペースでショッピングや観光を思い思いに楽しむことができるのだとか。パッケージツアーの「安心」と、個人旅行の「自由」の良いとこ取りといえるでしょう。もちろん、こうした一般のツアーにも、トラベルヘルパーなどの介助サービスを付けたり自由にカスタマイズすることが可能です。

地域情報を活用した日帰り旅

地域情報を活用した日帰り旅
出や泊まりでの旅行が不安という人は、日帰りでの観光もお勧めです。例えば東京都の場合、「東京観光バリアフリー情報ガイド」を、都内4ヵ所の東京観光情報センターなどで配布しています。
車いすの方でも高尾山を楽しめるコースなど、人気観光スポット10コースが紹介されています。インターネットからも検索できますので、お住まいの地域のこういった情報を上手に活用するのもひとつの方法でしょう。

東京都発行の「東京観光バリアフリー情報ガイド」電子版もあるので気になる方は検索してみては?
地域情報を活用した日帰り旅

 

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