特集

食の常識を変える!ユニバーサルデザインフード

ユニバーサルデザインフードとは、食べやすさや栄養面に配慮した食品のこと。
超高齢社会を背景に、その商品数は1800点近く、生産高は年間200億円を超えています。
かつては介護食というイメージが色濃くありましたが、最近は品質の高さにも注目が集まり、その利用方法は多岐にわたっています。
今号はユニバーサルデザインフードの世界に迫ります。

介護食のイメージを払拭おいしい!簡単!食べやすい!

かつての介護食品は、メーカー毎に製品の規格や表示方法が異なり、利用者にとって不便である点が問題でした。そこで2002年、食品メーカーらが中心となって「日本介護食品協議会」を設立し、介護食品の「食べやすさ」「使いやすさ」などについて統一規格を制定しました。これにより、全ての人が食べやすい「ユニバーサルデザインフード」が誕生し、現在までに同協議会に加入する企業は70社を超えました。
 見た目も内容も「味気ない」というイメージが先行していた従来の介護食とは異なり、①食べやすい ②調理が簡単 ③おいしい ④栄養価が高い、というのがユニバーサルデザインフードの特徴です。
レトルト食品や冷凍食品、ゼリーや飲み物など、幅広いラインアップも消費者に好まれ、調理済みの商品が多いことから、台所に立つ時間の短縮といった介護者の負担軽減にもつながっています。また、災害時における一時的な非常食としても活用できると期待が持たれており、4月に発生した熊本地震では、少ない量で必要な栄養素を取れるユニバーサルデザインフードが被災地に届けられた例もありました。
今号では介護食にとどまらない。ユニバーサルデザインフードのさまざまな可能性を特集します。

身近に広がるユニバーサルデザインフード
 スーパーフードとしての多様な可能性

キューピーやさしい献立シリーズユニバーサルデザインフードは、施設や病院給食などの業務利用をはじめ、スーパーやドラッグストアなどの小売店、ネット通販といった市販の売り上げも伸びています。これは、在宅での介護食として活用できるほか、咀嚼力が落ちてきたときの日常食として取り入れたり、虫歯や口腔内の病気でかんだり飲み込んだりが困難なときに利用できることも大きな要因です。
 商品パッケージには、ユニバーサルデザインフードを示すロゴマークと共に、かたさや粘度の規格によって分類された1~4の区分が表記されています。かむ力や飲み込む力の目安に合わせて、①容易にかめる ②歯ぐきでつぶせる ③舌でつぶせる ④かまなくてよい、という4区分から選ぶことができるのです。
 1998年にユニバーサルデザインフードの市販にいち早く取り組んだキユーピーでは、肉に卵白やマッシュポテトを加えることで、加熱による肉の硬化を防ぐ製法を採用しています。これにより食べやすさはもちろん、程よい食感も楽しめるようになりました。単にやわらかければ良いということではなく、口の中でバラけずまとまるように物性をコントロールする工夫もされています。見た目は普通の食事と変わりませんが、誰もが食べやすい商品を追求しているのです。味付けにもこだわり、塩分は抑えつつも味はしっかりと感じられるよう、だしや薬味で調整されています。一般的には年齢が上がるほど濃い味付けが好まれますが、こうした味付けへの工夫も、ユニバーサルデザインフードが高い支持を得ている理由のひとつです。また、たんぱく質や食物繊維、亜鉛など体に必要な栄養素を少ない量で摂取できるため、食欲不振や食事量が減少している人にも貢献できる食品といえるでしょう。
 
ユニバーサルデザインフード区分表

進化するユニバーサルデザインフード
 バラエティに富んだ各社ラインアップ

大手食品メーカーをはじめ、ユニバーサルデザインフード市場に参入する企業が相次いでいます。
各社のノウハウを生かした特徴のある商品を紹介します。

キューピー「やさしい献立」

キューピーやさしい献立

バリエーションがもっとも豊富なのが、キユーピーの「やさしい献立」シリーズです。主食から主菜、副菜、デザートまで全58種類を揃え、区分毎のメニューも多様なことから、「食事を楽しむ」ことをより意識した商品構成といえます。1998年の発売当初より同社が最も力を注いできたのが「味」であり、何度も改良を重ねてきたのだとか。当初は介護食を意識して薄味だったものの、現在は塩分の代わりにだしを効かせて、かつおだしや昆布だしなどを使い分けながら、味にメリハリをつける工夫を行っています。また家庭ではやわらかく調理するには手間がかかる根菜類などの食材をあえて取り入れ、食べる喜びをより感じてもらえるメニューづくりを意識しているそうです。
 介護の現場では、短時間で手軽に取れる食事が求められている反面、食事を軽視することは生きる喜びを奪うことにもなりかねません。手作りを望めば、必然的に手間と時間を要し、それが負担につながる場合もあります。同社ではバラエティに富んだ「やさしい献立」シリーズを、毎回の食事に1~2品プラスすることを勧めています。調理時間の短縮になるだけでなく、食事内容がいつもと違う新鮮さは、食べることの喜びにもつながるからです。またアレンジメニューの提案にも力を入れています。ご飯や麺、豆腐の上に「やさしい献立」のおかずをかけたり、卵を乗せたり、その楽しみ方は無限大です。
 ユニバーサルデザインフードを上手に活用して、豊かな食生活を楽しみたいものです。

キューピーやさしい献立プレゼント

マルハニチロ「もっとエネルギー」「生涯美食くらぶ」

マルハニチロ もっとエネルギー

必要なエネルギーや栄養素を無理なく摂取できる商品がほしい」というニーズに応え、マルハニチロが昨年新たに発売したのが、「もっとエネルギー」シリーズです。おいしさと食べやすさにこだわった、おかず・麺・ごはんなどのレトルト食品で、これまでに7種類の商品を開発。100~120gという少ない食事量で115~161少量で効率良くエネルギー補給できることから、「あまり多く食べられなくなった」と感じる人に最適です。また話題のココナッツオイルにも含まれる天然成分「中鎖脂肪酸油(MCT)」を配合しています。
 今年の春には、主食・主菜・副菜をセットにした冷凍の弁当シリーズ「生涯美食くらぶ」を発売し、日本食料新聞社主催の「介護食品コンクール」で、審査委員長賞を受賞しました。食べ応えと栄養バランスを重視した「オムライスとハンバーグ弁当」、「鶏ごぼうご飯とさば煮弁当」の2種類があり、電子レンジで温めるだけという手軽さも人気の理由です。

明治「メイバランスMiniカップ」

明治 メイバランスMiniカップ

明治が2014年に発売したドリンクタイプの「メイバランスMiniカップ」は、完全食とも称されるほど栄養面に特化しています。125(100g)1個分強に相当する200たんぱく質や脂質、糖質、食物繊維、11種のビタミン、10種のミネラルなどがバランス良く配合されています。食欲のないときや食べる暇がないときでも手軽に栄養補給でき、熊本地震の際に同社は、メイバランスを支援物資として提供しました。
さらに食事を楽しむ提案としてメイバランスなどを使って手軽にできるレシピも公開しています。例えば、みそ汁に「メイバランスMiniカップ」のコーンスープ味を加えると、まろやか味の「栄養みそスープ」ができあがり。もともとは施設用だった商品を家庭向けに販売したことで、2010年からわずか4年間で売上が10倍に伸びました。こうしたことからも手軽に栄養摂取できる同商品の需要が高まっていることがわかります。
 これからも、各社の企業努力がユニバーサルデザインフードの可能性を広げていくことでしょう。
 

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