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税務相談 こちら西新宿税理士よろず相談奮闘記【60】

土地を共有している場合に、その持ち分に応じて単独所有の現物分割をする「共有物分割」。
譲渡税や贈与税は発生しませんが、それ以外の各種コストには注意が必要です。

毎週月曜日の無料法律税務相談所。やはり相続税に関するご相談が一番多いです。
 今月ご登場のSさん、お聞きすると相続税の申告期限まで残り2ヵ月を切るとのこと。ご自身で作業できると思って進めていたけれども想像以上に計算が難しかったので申告書が作成できず、兄弟も全国に散らばっているためにほとんど協議もしていない、気が付けば残り2ヵ月……という状況でした。

未分割では優遇税制を使えません

「伏木さん、どうぞよろしくお願いします。」
「はじめまして、Sさん。早速ですが、相続税の財産評価に必要な資料が不足しているようです。まずはこれらの資料を収集し、評価・検・節税プランの構築といった行程を経ると、ご兄弟皆さまでの分割協議にあてられる期間は、ほとんど取れないかもしれません。おおよその分割イメージはございますか?」「いやいや伏木さん、ほとんどゼロベースと言って等しいのですよ。一度、兄弟で集まって私が計算した評価額を基に分割協議をしたのですが、その評価額が間違っていたので、議論は振り出しに戻ってしまいました。兄弟間でもめているということは決してないのですが、私が東京在住、弟2人は関西に住んでいますので、話し合ったのはそれっきりなのです。」とほとほと困り果てたご様子です。
「Sさん、申告期限までに分割協議がまとまっていない未分割の状態だと相続税が大きくなり、また、優遇される税制が適用できません(Vol. 69)。
ざっと相続税を計算しますと、この優遇税制が適用できなければ、申告期限に現金納付する必要が生じます。相続財産の預金だけでは不足しそうですね。」
「そうですか……。誰がどの相続財産を取るのかはおおよそ決まっているのですが、実家の隣にある大きな土地が全くの白紙状態です。道路付けも良く、価値がありそうなのですよ。ここを取得する兄弟の取得額が突出しそうだから、話し合いは難航しそうです。」

「共有物分割」を利用する

「例えばSさん、状況が状況ですのでこんな方法も考えられます。その大きな土地をいったん共有での取得とし、後に『共有物分割』という方法で、各人それぞれの単独所有にさせる方法です。分割後の土地の価額の比が、共有持ち分の比におおむね等しければ、単独所有に帰属させる際に課税関係は生じません。申告期限で分割は確定しますので、優遇税制を適用して納税額を抑えることができます。」
「伏木さん、それはいいですね。現実的には申告期限までに協議はまとまらないと思いますので、弟たちへ話してみます。」
「Sさん、ただし、良いことばかりではありません。デメリットとして「測量費用」「分筆費用」「登録免許税(原則2%)」「登記費用」が発生します。これらの合計額は相続税の節税額よりも小さいかもしれませんが、思わぬ出費に注意が必要です。」
「なるほど、大変参考になりました。ありがとうございました。」
 
共有物分割
ワンパック相談

伏木栄太郎伏木栄太郎(ふせぎえいたろう)新宿総合会計事務所 税理士
「お年寄りの味方」を合言葉にした税務相談は、高齢者にとって、丁寧でわかり易いと好評である。

 

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