コラム

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事業継承と家の継承の悩み

「後継者の育たない企業に発展なし」といわれるように、事業家は早くから後継者選びと育成に力を注いでほしいものです。
 一方、家の継承もだれが継ぐのか、だれに継がせたいのか――で深刻に悩んだり、身内でもめたりするケースが増えています。

事例❶ 家を継ぐ気ない孫娘(80代女性)

 71_column03-12人の孫娘に家を継ぐ気が全くなく、心配しています。長男の娘たちで20代と30代です。
2人共、大学を出ており一流企業に勤めています。上は結婚して子どもが2人おり、下も独立しています。 女性は結婚して実家の近くに住み、実家に何かがあれば心配して来るのが世間一般のことだと私は考えていました。しかし、我が家は違うのです。
 上の孫娘は家を継ぐ気が全くありません。
下も実家に足を運ぶことはなく、このままでは私の家は絶えることになります。
 長男は「育て方を間違った」「子どもはいない方が良かった」などと言って、生活にも仕事にも張りをなくしています。 家を継いでくれなければ、家や土地は売ったとしても、仏壇や位牌は誰が保管してくれるのか。考えると夜も眠れません。

木村先生のご意見

戦後、「家」制度は民法上なくなり、夫婦と子の核家族が主流となりました。結婚後の姓も夫婦どちらを名乗っても自由ですし、土地家屋などの資産は、親の死後、子どもが平等に相続できることになっています。
 あなたの場合、自分の子どもたちで解決すべきことで、それを孫たちに尻拭いをさせようとするところに無理があります。
 私は妻が一人っ子でしたので、迷わず養子縁組をして木村の姓を継ぎ、両親を共に87歳で看取りました。幸い男の子ばかり6人に恵まれ、孫も9人になり、早いもので皆自立する年齢になりました。もちろん墓参りや仏壇、位牌、年忌などの行事は生活の中心に位置づけて、今日まで遵守してきました。
 どんなに時代が変わって民法が改定されても、結婚には、親や周囲に喜びと安心を与える「祝福される結婚」と「そうでない結婚」があるのではないでしょうか?どちらを選ぶのも自由ですが、長い目で見ると当然、結果が違ってくることを知っておくべきでしょう。

事例❷ 後継者選びに悩んでいる(70代 中小企業の経営者)

71_column03-2私は息子2人と協力して業界でも名が知れる会社に発展させてきましたが、後継者選びで難航しています。
重要なポイントについて教えてください。

木村先生のご意見

後継者にとって大切なことは、誰もが認める実績をつくることです。実績がなければ、誰も信用しないし、ついてくる者もいません。
 そのポイントは、①体が丈夫で働き者。②義理が堅く人情に厚い。③人の話をよく聞き包容力がある。④度胸があり、よく勉強する。⑤陽性で善人である。⑥先代を心から尊敬している。などです。
 性格面では、リーダーシップがあるかどうか。周囲の人に好かれ、また、世話好きで人の面倒見が良いことなどを重視することです。
 反対に、怠け者や生意気、理屈っぽくて行動力に乏しい人、人間性が良くないのは絶対に避けること。こんな人がトップや幹部の後継者になると、必ず悲劇が起きて、会社は低速・倒産の道をたどります。
 毎日が決断と実行の連続なので、経営者には、常に周囲の協力を得ながら、さまざまな問題に対処していく度量が要求されます。1つ1つテキパキと処理していく現実処理能力と人望が、どうしても必要だからです。
 要は、経営者(先代)の日常の姿勢が、そのまま人づくり、後継者育成の根本であることを忘れてはなりません。
 後藤新平の言葉に「事業家は、金を残して死ぬのは下だ。仕事を残して死ぬのは中だ。人を残して死ぬのは上だ」というのがあります。この意味をよくかみしめてほしいと思います。
 社員を教育し、立派な後継者に育て上げるのは、事業家の最も重要な仕事です。事業にかける情熱と継承の意義を踏まえ、全生命を傾注して、企業と社会に貢献する立派な後継者を育成してほしいと願っています。

木村重男さん木村重男(きむらしげお)
1933(昭和8)年生まれ 83歳
一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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