コラム

今だからこそわかること、できることがある 老いには夢がある【7】

私も後期高齢者の仲間入りをしましたが、なぜか寂しさはなく、これからの人生、ますます何かができるという気がしてなりません。
老いることは、辛い、寂しいとよく聴きますが、この年でなければできないことが、たくさんあるように思います。
「老い」は、私たちの心の持ちようと行動次第で、優しくも怖くもなります。何をすれば、より素晴らしい日々を過ごせるか、一緒に考えて、実行していきましょう。

健康は自分だけの問題ではない

 4月で80歳になりました。高齢期、特に80歳の大台に乗ると、健康についての悩みがいろいろと出てくるものです。不幸にして病に侵された場合の対処法など、自分のこととして具体的に考えていかねばなりません。介護や看病などに関する準備と共に、もしそうなった時の自分の意思を、あらかじめ親族等に伝えておく必要があります。「ピンピンコロリ」はなかなか難しい、そんな覚悟をしておく必要があるでしょう。
 私個人としては、病に侵されたときは、医師の言いなりにならず自分の意思をしっかりと伝えて、医師とチームを組み、意思に沿った治療をお願いしたいと考えています。
 そのためには、家族の協力なくしては成り立たないでしょう。治療に関する意思は、あらかじめ書き残しておきたいと思います。それは独りよがりにならないよう、関係者とのしっかりとした打ち合わせが必要です。そして可能な限り、世話をかけないようにしたいものです。しかし、それは実際には難しいことかもしれません。
 普段から私は「お世話になります」と話しています。肉体的な衰えは自然に逆らわず、ウィズ・エイジングと決めています。そのためには、規則正しい食事と楽しい日常を心掛けて日々暮らしたいものです。

自分らしく美しく「枯れても咲く」

 さまざまな欲から脱却し、自分の立ち位置が安定しますと、きれいに枯れることができます。例えば梅の木は、幹が枯れて空洞になっても花が咲きます。可能であれば今年も来年もその次も、梅のように咲いて無理なく自然に生きたいと願っています。
 自分らしく美しく枯れることができれば、人を引き付ける魅力があるように思います。
そのためには心身共に健康である今が大切です。ある日突然に、きれいに枯れることはできません。梅の木と同じように、適当な栄養と水が必要でしょう。それは規則正しい日常といえると思います。
 美しく枯れていくことができれば、命は人の心の中で続いていくものではないでしょうか。

小さな貢献でも人はいきいきとする

 高齢者の集まりに参加しますと、「自分にはまだまだ何かができる」と考えている人と、反対に「誰かにしてもらいたい」と考えている人の2つのタイプがあることに気付きます。
常に他人に頼りたがる後者の人の方が、老いが早いように感じるのは気のせいでしょうか。
 自分にできることを進んでやって、グループ内や地域の中で貢献している……。すなわち社会に対して何かを尽くそうと考えているときは知能も働き、体が活性化しているようです。世間に溢れている認知症予防も良いことですが、社会からもらうばかりではなく、小さなことでも何か貢献したいと考えているときは、自然と人はいきいきしているように思えます。
 貢献とは何も大きなことばかりではありません。朝の挨拶や、ちょっとしたことでも「ありがとう」を伝える、小さな子どもが信号を渡ろうとしている時にそれとなく注意して見守るなど、ささやかですが、目立たなくても大切な貢献はたくさんあります。
 自分に何かができる間は、してもらうことばかりを考えず、小さな貢献を見つけて行動に移してみませんか。

過去を受け容れることで今が変わる

 80年も生きてきますと、苦しいことや失敗もいろいろと経験してきましたが、自分の過去はすべて受け容れようと考えています。これまで良いことも悪いことも経験してきたからこそ、今の自分があるからです。
 過去を後悔して受け容れられず、現状を否定的な気持ちで暮らす毎日では、決して良い方向に進めるとは思えません。
80年生きてきた私が言えることは、今現在の良いこと悪いことの全ては、これまでの自分がつくってきた環境といえます。人生は、まるごと全て自己責任であるといってもいいでしょう。自分の過去との向き合い方次第で、今の環境は変わってくると思うのです。

自分の意志で自分に合った準備を

自分の意志で自分に合った準備を 超高齢社会による問題や、介護や看護についてのあれこれ、さらには「人生の終末は在宅で迎えることが最善」などと偉い先生方が話しているのを、さまざまな場面で目にしますが、本当にそうでしょうか?
 私自身は自分の終末を「妻をはじめとする家族や親族に、最も世話をかけないように迎えたい」と考えています。「これが良い」と決まっていることは、何ひとつありません。
在宅にこだわらず、高齢者施設でも病院でも、支えてくれる家族さえ元気であれば、自宅で暮らしているのと同じような日々の中で、最期を迎えることができると考えています。
 無理をせず家族にいつもにこやかでいてもらうために、元気な今、どんな準備ができるのか。世間の風潮に惑わされず自分の意思をきちんと持って、それぞれが自分に合った準備を考えてほしいと願っています。
 

岡島貞雄さん岡島貞雄(おかじまさだお)
シニアライフアドバイザー
ふるさとひょうご創生塾(6期生)
高齢者・認知症・老人施設・こころの問題等々の相談、成年後見制度普及活動に取り組む

 

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