健康・お金・生活

介護付有料老人ホームでの 「医療行為」

痰の吸引やインシュリン注射などは医療行為にあたるため、私たち介護職員が行うことは法によって許されていません。
しかし今の日本では、日常的に医療行為が必要な方は増えています。
そこで当施設では、この4月に新たに看護職員3名が仲間に加わりました。

医療行為が必要な高齢者が増えている

「介護付有料老人ホーム」は、食事をはじめとして健康管理、掃除、洗濯、入浴、排泄などの日常生活において、介護サービスを提供する施設とされています。家族の代わりとなって専門スタッフが介護する、家庭の延長線上にある生活の場ともいえるでしょう。
そのため日常的な健康管理は行いますが、医療を提供する場ではないため、国の基準では、協力医療機関は定めているものの医師は配置せず、看護師は2名以上で夜間の配置はなくてもよい、とされています。
 しかし今日の日本では、医療の進歩と共に平均寿命が延び、超高齢化が進むことにより多くの人が幾つかの疾病を抱え、日常的に医療処置やその管理が必要な方が増えています。
入居のお問い合わせにおいても、喀かくたん痰吸引、経管栄養、インシュリン注射、導尿、人工透析などの医療的管理を必要とする方のご家族や、担当ケアマネジャーからの相談が多くなっています。こういったお問い合わせは、急性期病院の在院日数の短縮化や、医療・介護療養病床の削減などの国の施策が進むことによって、今後さらに増えることが予測されます。

医療行為は介護職員には行えない

 介護付き有料老人ホーム痰の吸引や経管栄養の注入、インシュリン注射などの医療行為は、家庭であれば、当然のように介護者である家族が行っていますが、介護職員が行うことはできません。これは、医療行為は有資格者以外がそれを生業として行うことができない、という法の定めがあるからです。
 家庭での介護や療養が困難となり、いざ介護サービスのお世話になろうとしても、家族が当たり前のように行えていた医療行為が、介護職員には行えないがために利用を断られるケースが多々あるのです。
 当施設でも、これまで医療行為を要因としてご入居に至らなかったケースはありました。しかし、医療処置やその管理が必要な方が増え続けているのが現状です。ハートフルケア上越高田では、この春から看護職員を増員し、受け入れ体制を整えることになりました。
 もちろん看護職員を揃えただけでは、医療ニーズに応えることができるわけではありません。例えば、経管栄養の管理を必要とする方のケアひとつをとっても、1日の投与量、回数、時間によっては、現在は日勤だけの看護職員の勤務体制を、早番、遅番を含め整えていくことが必要です。また喀痰吸引を必要とする方は、夜間の吸引が必要なのか、定時または随時必要になるのか、その状況によっては夜間帯の看護職員のオンコール(※)でどこまで対応できるのかを施設側が明確にすることで、お客さまの安全、安心につながると思います。
 看護師であっても、医師の指示がなければ医療処置を行うことはできませんので、主治医、関連医療機関との連絡経路を明確にし、すみやかに指示を仰げる体制も必要となります。

 ※医師や看護師などの医療従事者が、勤務時間外であっても呼ばれればいつでも対応できるように待機していること。

全職員に医療知識の必要性

看護・介護職員に行ったあるアンケートでは、医療行為に関するケアの負担感として「緊急時、異常の早期発見・早期対応」があげられています。
 医療ニーズの高い高齢者のケアを行うにあたっては、看護職員と介護職員とで、それぞれのケア目標を共有することはもちろんのこと、医療の知識を増やしていくことも重要になると思います。それによって相互にスムーズな協力が可能になり、「異常の早期発見・早期対応」につながるのだと思います。
 何よりも安全第一で、お客さまには安心してご利用していただかなければなりませんので、歩みはゆっくりかもしれませんが、医療ニーズの高いご高齢者とそのご家族、担当ケアマネジャーの期待に沿えるよう、これからも全職員協同で体制を築き上げてまいりたいと思います。

藤本竜太さん藤本 竜太(ふじもとりゅうた)
㈱東日本福祉経営サービス介護付有料老人ホーム ハートフルケア上越高田
ケアマネジャー(介護支援専門員)

 

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