健康・お金・生活

気を付けたい入院や入所に伴う「副作用」

「病気やけがで入院する」「日常生活動作(ADL)が低下したので自宅での生活は危険だから入所する」のは、高齢の方にはよくあることです。
しかし入院や入所には、いいことばかりではない「副作用」もあることを知っておきたいものです。

長期療養で機能低下が一気に進むことも

 昨年末に自宅で転倒、大けがを負って入院した80歳の男性は、4ヵ月経って退院することになったものの療養が長期にわたったことで車いすが必要になりました。リハビリもしていますが、つかまり立ちがやっとの状態。入院中に要介護3の認定を受けました。
 特に高齢の方の場合、入院や入所に伴い活動量が低下することによって、それまで当たり前にできていた「立つ・座る・歩く」といった単純な日常生活動作ができなくなることがあります。また、単調で刺激が少ない生活が続くと、認知機能が衰えてしまうこともあるようです。軽い認知症と思っていたら、入院や入所に伴って症状が一気に進んでしまった、ということもあるのです。病気やけがでの入院は仕方がありませんし、入所で安心できるメリットは大きいのですが、時には身体機能や認知機能の低下が一気に進んでしまうこともある、という副作用も忘れてはいけません。

「希望」はリハビリのモチベーション

 前述の男性の場合、認知機能はしっかりされており、ご本人は「また自宅に戻って生活したい」と強く希望されていましたが、今のままでは狭い上に段差が多い自宅へ戻っても生活できそうにありません。そこで、居室とトイレの段差をなくしたり、床をフローリングに変えるなどの自宅改修を行うことにしました。改修が終わるまでは、ショートステイを利用しながらリハビリすることになりました。
 さて、長期にわたる入院で日常生活動作のほとんどができなくなっていた男性ですが、退院から3日も経たず「手すりを追加して欲しい」と、ケアマネジャーから電話がありました。手すりがあれば歩行移動できるまでに回復されていたのです。
お伺いしてみると、ご本人の表情や顔色が退院直後とは全く違い、驚くほどいきいきとしておられました。「退院して自宅に戻りたい」という強い希望が、モチベーションになったようです。こういう方に接しますと、私も「お手伝いできて良かった」と大変嬉しく思います。やりがいを感じた瞬間でした。

斎藤豊男斎藤豊男(さいとうとよお)
HARS(ハーズ)にいがた株式会社
福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター

 

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