都内の名処

シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処⑨

都内の名処 六義園

CHAPTER9 和歌の心が息づく庭 六義園(りくぎえん)

東京に観光名所は数あれど、あまり知られていない穴場スポットは数多く存在します。そんな「都内の名処」を、シニアライフ・コンシェルジュ藤野政史がご案内します。今月は、JR駒込駅より徒歩7分にある都立9庭園で最大入園者数を誇る「六義園」に出掛けてみましょう。

「和歌のうら 芦辺の田鶴の鳴声に 夜わたる月の 影そさひしき」の歌から名づけられた渡月橋。大岩がどっしりと構えている

六義園の顔ともいうべき「しだれ桜」。3月末に枝いっぱいの薄紅色の花を咲かせ、流れ落ちる滝を彷彿とさせる姿は圧巻

和歌山の景色を模した大名庭園

 六義園は、江戸幕府の五代将軍・徳川綱吉に仕えた川越藩主の柳澤吉保が、下屋敷として与えられた駒込の地に元禄15年(1702年)に造った回遊式築山泉水庭園です。吉保自らが設計、指揮し、平坦な武蔵野の一隅に池を掘、山を築きました。7年の歳月をかけて造られたこの庭園は、和歌を愛した吉保の意向で、和歌に詠まれた和歌山をはじめとする景色が再現されています。六義園は明治時代に入って三菱創設者・岩崎彌太郎の所有となった後、昭和13年に東京市に寄付されて一般公開されるようになりました。造園当時から小石川後楽園と共に江戸の二大庭園に数えられ、昭和28年には国の特別名勝に指定されたこの和歌の庭を、サービスセンター長の照井さんとご案内しましょう。
「当園に来られるお客様の数がもっとも多いのは、やはり桜の時期です。庭園の中心部に抜ける内庭大門をくぐると、すぐに高さ15m、幅20mのしだれ桜が現れます。ライトアップ期間中はその姿をひと目見ようと1日に2~3万人の方がご来園されます。迫力のある桜は大木のように見えますが、東京都が管理するようになった昭和30年代に植えられたもので、3本の桜が合わさって1つの桜になっています」と照井さん。一般的には入口近くのしだれ桜がクローズアップされることが多いそうですが、実はもう1本、敷地の1番奥にも植えられており、こちらもライトアップされて多くの人で賑わうそうです。
 しだれ桜のあるアプローチ部分を過ぎると、大泉水(大きな池)を中心とした回遊式築山泉水庭園が見えてきます。園内には、紀州(現在の和歌山県)和歌の浦の景勝や、和歌に詠まれた名勝の景観が88カ所点在しています。すべてに和歌が詠うたわれていますが、その1つが入ってすぐに見える出でしおのみなと汐湊です。照井さんによると、和歌の浦に月の出とともに海の水が増してくると干潟がなくなって飛び立つ鶴の鳴き声がさびしく響く、という景色を表しているそうです。
 さらに敷地の奥には、六義園の池を掘った際に出た土を運んで造った標高35mの藤代峠が鎮座しています。園内でもっとも高い築山の頂きは「富士見山」とよばれ、紀州にある同名の峠から名付けられたのだそう。
 六義園では、桜や紅葉だけでなく、4月中旬から5月頭にかけて見頃を迎えるつつじ、その後に続くサツキや紫あ じさい陽花なども見応えがあります。毎週土曜日、日曜日と祝祭日にはボランティアガイドによる無料案内も行われていますから、庭園の歴史や和歌の話に耳を傾けながら、四季折々の彩りに触れてはいかがでしょうか。庭園内は、ゆっくり周っても1時間程度。池をめぐる園路には木々が生い茂り、ここが都会の真ん中だということを忘れさせてくれるおすすめスポットです。


 六義園の特徴の1つである石柱。庭内88カ所(六義園八十八境)にそれぞれ石柱が建てられ、うち32カ所が現存している

アカマツ・クロマツ

園内には幹の黒いクロマツと赤いアカマツが両隣にあり、違いを知ることができる。なお、大泉水になだれ込むほどの大きな松の側には「吹き上げの松」と書かれた石柱が建てられており、遊び心から「松」という字の木偏が上に来ている。

つつじ茶屋

明治時代に岩崎家が建てた、つつじの古木材を用いたあずまや。戦災を免れ、現代にその希少な姿を伝えている。

山陰橋

つつじ茶屋を背にして山陰橋を望むと、11月下旬の紅葉の時期にはもみじの黄と赤の見事なコントラストが見られる。

六義園

■所在地/東京都文京区本駒込六丁目
■電話番号/03-3941-2222
■最寄駅/JR山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」より徒歩7分、都営地下鉄三田線「千石駅」より徒歩10分
■開園時間/午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)※イベント開催期間およびGWなどは時間延長が行われる場合もあります
■休園日/年末年始(12月29日~翌年1月1日まで)
■入園料/一般300円/65歳以上150円(小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料)/20名以上の団体一般240円、65歳以上120円/六義園のみ年間パスポート一般1,200円、65歳以上600円/9庭園共通年間パスポート一般4,000円、65歳以上2,000円/六義園・旧古河庭園共通入園券(園結びチケット)一般400円、65歳以上200円
 ※無料入園日:みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)
 ※老人週間(9/15~9/21)は60歳以上の方および付添者(原則1名)が入園無料になります。

藤野 政史さん藤野政史(ふじのまさふみ)
グローバルライフ株式会社 代表取締役
シニアライフ・コンシェルジュ
シニア世代の皆さまが楽しく、笑顔で、遊び、学ぶ、集う会
「グローバルライフクラブ」を運営。
 

 

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