都内の名処

シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処⑦

シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処

CHAPTER7 和と洋が調和する大正期の庭

東京に観光名所は数あれど、あまり知られていない穴場スポットは数多く存在します。そんな「都内の名処」を、シニアライフ・コンシェルジュ藤野政史がご案内します。
今月は、バラと洋館の調和が見事なJR上中里駅近くの「旧古河庭園」に出掛けてみましょう。

西洋建築の父の最晩年の作

 旧古河庭園と旧古河邸は、足尾銅山の銅で財を成した古河家三代目当主・古河虎之助の邸宅として大正6年に造られました。大正12年の関東大震災では、庭と邸宅を開放し、救療所やバラックを造って2000人もの近隣住民を救います。震災が落ち着いたのち、一家は新宿へ越したため、実際に住んだのはわずか10年ほどでした。第二次世界大戦後にGHQが接収するまで古河家の迎賓館として使用され、GHQ撤退後は庭園だけ都立公園として開放されるものの、邸宅は30年近く空き家になっていました。現在は、大正期の面影をそのまま感じることができる貴重な場として、国の名勝に指定されています。サービスセンター長の花房さんと共に、庭園内をご案内しましょう。

高低差を巧みに利用した庭園

「バラと洋館のコントラストが有名な旧古河庭園ですが、実は敷地の約7割を日本庭園が占めています。一番の特徴は、武蔵野台地の高低差を活かし、高台に洋館、斜面に洋風庭園、低地に日本庭園を配している点でしょう。低地に下りるにつれ、洋風のカチっとした印象から曲線を重視した和風のやわらかいものへと変わり、吸い込まれていくかのように日本庭園へとたどり着きます」
 旧古河庭園の最大の魅力は、春と秋に咲き誇るバラです。園内には四季咲きのバラを植えているため、1年中楽しむこともできますが、あえて夏と冬の間は株を休ませて、それによって大輪の花を咲かせているのだそう。
「バラと洋館の景色はよく知られていますが、もう1つの魅力は秋の紅葉です。洋館をバックに屏風(びょうぶ)のように広がるモミジや、展望台から見る雪見燈籠(ゆきみどうろう)と紅葉など、高低差によって見え方の異なる紅葉を楽しんでいただくことができます。また、庭園の特徴の1つに石灯籠も挙げられます」と花房さん。庭園内には13もの石灯籠が配されていますが、水辺に置かれた雪見燈籠だけがどこからでも見えるランドマーク的存在となり、ほかは見る位置によって互いが見え隠れするようになっているのだそう。庭は京都の無鄰菴(むりんあん)などで知られる七代目小川治兵衛による設計で、旧古河庭園が東京進出第一作目でした。
 庭園内に建つ旧古河邸では、ガイド付きツアーが行われています。石造りの邸宅は設計者のジョサイア・コンドルの母方の実家であるスコットランドの山荘をイメージして造られ、重厚な雰囲気が漂います。邸宅内で注目すべきは、洋館でありながら、生活の場であった2階の7割近くが畳部屋になっ
ているところ。洋と和を共存させるためにコンドルはさまざまな仕掛けを施していますから、解説を聞きながら邸宅内を巡るとより一層面白みが増します。1階には、30年間廃墟だったことが信じられないほど豪華な空間が広がります。お出掛けの際は庭だけでなく、ぜひ邸宅にも足を運んでみてはいか
がでしょうか。

 

藤野 政史さん藤野政史(ふじのまさふみ)
グローバルライフ株式会社 代表取締役
シニアライフ・コンシェルジュ
シニア世代の皆さまが楽しく、笑顔で、遊び、学ぶ、集う会
「グローバルライフクラブ」を運営。
 

 

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